
(引用元:ESA/Hubble)
こちらは、2000年12月6日にNASAから公開された、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野惑星カメラ2(WFPC2)で撮影した反射星雲「IC 349」の画像です。「バーナードのメローペ星雲(Barnard's Merope Nebula)」とも呼ばれています。

プレアデス星団を通過する星間雲
IC 349は、おうし座の方向約380光年先に位置するプレアデス星団(M45、すばる)の中を通過している星間雲です。プレアデス星団はギリシア神話の「七人姉妹」にちなんだ名前を持ち、冬の夜空に肉眼でも確認できる散開星団です。星団の周囲には塵を含んだ星間雲が見えており、星の光を反射して青く輝く反射星雲として知られています。
IC 349は、その反射星雲の中でもとりわけ明るい部分です。星団の明るい星のひとつ「メローペ(23 Tau、おうし座23番星)」からわずか約3500天文単位(約0.06光年)しか離れていないため、メローペの光を強く受けて照らされています。
画像右上に見えるカラフルな光の筋は、フレーム外にあるメローペの光が望遠鏡内部で生じたもので、実際の天体ではありません。一方、左下から右上へ平行に伸びる筋状の構造は本物です。ハワイ大学のGeorge Herbig氏とTheodore Simon氏の研究によると、この構造は星の光による「放射圧」で説明できるといいます。
星間雲がメローペに近づくにつれ、強い星の光が塵の粒子を減速させます。このとき、小さな粒子ほど強く減速される一方、大きな粒子は星に向かって進み続けます。風にあおられた穀物から殻をより分けるように、粒子の大きさによるふるい分けが起きた結果、メローペに向かって伸びる平行な筋が生まれたと考えられています。
この星間雲はプレアデス星団を作った材料ではなく、星団とは本来無関係な雲だと考えられています。現在は秒速約11kmの相対速度で星団の中を通過しており、今後数千年のうちにメローペのそばを通り過ぎていくと予測されています。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- ESA/Hubble "Ghostly reflections in the Pleiades" (opo0036a)
- Herbig, G. H. & Simon, T. 2001, "Barnard's Merope Nebula Revisited: New Observational Results", The Astronomical Journal, 121, 3138–3148










