まるで輝く“宇宙の目” ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河「NGC 2566」

こちらは「とも座(艫座・船尾座)」の方向約7600万光年先の渦巻銀河「NGC 2566」です。明るく輝く中心部分から二手に伸びた棒状構造、その両端から始まる渦巻腕(渦状腕)が全体を包み込むように広がっています。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が撮影した渦巻銀河「NGC 2566」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Thilker)
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が撮影した渦巻銀河「NGC 2566」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Thilker)】

地球を見つめる“宇宙の目”のような姿

欧州宇宙機関(ESA)によると、NGC 2566は地球からは少し傾いて見える位置関係にあります。そのため、渦巻腕が作り出す輪郭はアーモンド形をしており、どことなく目を連想させる姿をしています。

NGC 2566の渦巻腕は青色と赤色に彩られていますが、この2つの色には密接な関係があります。青色は若く高温の大質量星から放射された光。赤色は大質量星の放つ紫外線によって電離した水素ガスが光を放っている「HII(エイチツー)領域」です。HII領域はガスと塵を材料に星が形成される星形成領域でもあり、新たな星が誕生する現場であることから“星のゆりかご”と呼ばれることもあります。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」による観測データをもとに作成されたもので、ESAから“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として2024年12月16日付で公開されました。

ハッブル宇宙望遠鏡による最近のNGC 2566の観測は、宇宙のあらゆる時代において銀河の成長と進化を促進する重要なプロセスであるガスの流れ・星形成・フィードバックのサイクルを解明するために、近隣の55の銀河を観測する調査の一環として2024年9月に実施されています。

 

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文・編集/sorae編集部

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