ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“エリダヌス座”の棒渦巻銀河「LEDA 857074」

こちらは「エリダヌス座」の方向にある銀河「LEDA 857074」です。欧州宇宙機関(ESA)によるとLEDA 857074は棒渦巻銀河のひとつであり、中心部分の棒状構造の両端から淡い渦巻腕(渦状腕)が湾曲しながら外側へと広がっていく様子が捉えられています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された棒渦巻銀河「LEDA 857074」(Credit: EESA/Hubble & NASA, R. J. Foley)】
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された棒渦巻銀河「LEDA 857074」(Credit: EESA/Hubble & NASA, R. J. Foley)】

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」で2023年2月に取得したデータを使って作成されました。LEDA 857074では2022年12月に超新星「SN 2022adqz」が発見されており、ESAによればこの画像でも棒状構造の中央付近にひときわ明るい光点として写っています。SN 2022adqzは白色矮星を含む連星が関わるとされる「Ia型超新星」だったと考えられています。

宇宙には無数の銀河が存在しています。そのなかには天の川銀河の“お隣”にある「アンドロメダ銀河(M31)」や、超大質量ブラックホール周辺の様子が電波で観測されている「M87」のように有名な銀河もありますが、LEDA 857074は発見されて以来研究の対象には選ばれておらず、データベースにも位置以外の情報は事実上記録されていなかったといいます。

ESAによると、自動捜索されるようになった超新星は今では毎年数万件が検出されていますが、天文学者によってカタログ化されている銀河の数は数百万に上るため、ある特定の銀河で超新星が見つかる可能性はわずかです。SN 2022adqzが発見されなければ、ハッブル宇宙望遠鏡によるLEDA 857074の観測も行われなかったかもしれません。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として2024年8月5日付で公開されています。

 

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文・編集/sorae編集部