はやぶさ2に搭載された望遠光学航法カメラ(ONC-T)により約20kmの距離から撮影されたリュウグウの画像(Image Credit:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研)。

はやぶさ2に搭載された望遠光学航法カメラ(ONC-T)により約20kmの距離から撮影されたリュウグウの画像(Image Credit:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研)。

アメリカのブラウン大学は1月5日、ブラウン大学のラルフ・ミリケンさんらが参加する研究チームが、小惑星リュウグウから水が失われたのは、太陽による加熱のためというよりは、母天体の段階におけるなんらかの加熱作用のためである可能性が高いことを突き止めたと発表しました。研究チームは、JAXAのはやぶさ2がリュウグウに金属弾を打ち込み人工クレーターを作成したときに飛び散ったリュウグウの内部物質の観測データからこれを突き止めました。

地球上の水はいったいどこからやってきたのでしょうか?その有力な候補の1つが小惑星です。小惑星には、含水鉱物(水を含む鉱物)という形で、水が存在しています。

リュウグウは、C型小惑星に分類され、有機物やこのような意味での水を豊富に含んでいると考えられていました。

ところが、はやぶさ2が接近して実際に観測してみると、リュウグウには、当初、予想されたほどには、水が存在していないことが解りました。

では、なぜリュウグウはこのように乾燥しているのでしょうか?考えられる可能性は2つあります。

1つは、リュウグウのような小惑星は衝突によって破壊された母天体の破片が集まって形成されたと考えられていますが、すでに母天体の段階で何らかの加熱作用により水が失われた可能性です。もう1つは、リュウグウが、かつてはもっと太陽に近い軌道を回っていて、太陽の熱によって水が失われた可能性です。

これを確かめるためにはリュウグウの内部を調べれば解かります。太陽の熱はリュウグウの内部にまではあまり届かないからです。

そこで、研究チームは、はやぶさ2が重さ2kgの銅製の金属弾を秒速2kmで打ち込み人工クレーターを作成したときに飛び散ったリュウグウの内部物質を近赤外分光計で観測したデータを分析しました。すると、リュウグウの表面と内部で水の量はほとんど変らないことが解りました。つまり、リュウグウの水はすでに母天体の段階で何らかの加熱作用によって失われた可能性が高いことが解ったというわけです。

今回の研究成果はまだ確定ではなく、研究チームでははやぶさ2がリュウグウから持ち帰った試料の分析によってこの研究成果が裏付けられることを期待しています。

このような地道な研究の積み重ねによっていつか地球の水の起源が解き明かされるかもしれませんね。とても楽しみです。

 

Image Credit: JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研
Source: ブラウン大学のブレスリリース論文
文/飯銅重幸

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