超大質量ブラックホールが創り出す銀河のリング

この画像は、が捉えた「NGC 1097」の中心をクローズアップしたものです。ろ座の方向約4500万光年先に位置する「NGC 1097」は、者にとって非常に魅力的な要素を幾つも持っています。

それは、明るい銀河核を持つセイファート銀河に分類され、中心には太陽質量の1億倍という超大質量が潜んでいると考えられていること。中心核を一周するような環状構造。そして、1992年から2003年の11年間で3つの爆発が観測されたことなどが言えます。

この中心核を包む環状構造は、直径およそ5000光年であると推測されており、中心のが周囲の物質を飲み込み、非常に明るい輝線スペクトルを放射しています。また、環状構造はの影響による爆発的が行われていることを示しています。

特徴はそれだけではありません。この画像には写っていませんが「NGC 1097」の周囲には、「NGC 1097A」と、非常に小さいNGC 1097B」といった2つの伴銀河が存在しており、3つの銀河は過去に相互作用を行っていたと考えられています。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」の可視光Hα線と赤外線波長で撮影し、2012年12月に公開されたものです。

 

Image Credit:ESA/Hubble & NASA Acknowledgement: E. Sturdivant
https://www.spacetelescope.org/images/potw1252a/