宇宙望遠鏡3基が捉えた小マゼラン雲の散開星団

肉食恐竜が大きく口を開けたようなこの天体は、小マゼラン雲にある散開星団「NGC 602」を3基の宇宙望遠鏡で捉えた合成画像です。「NGC 602」は、みずへび座の方向約20万光年の距離にあり、約500万歳と若い星団。

2013年4月に公開されたこの画像は、NASAのグレートオブザバトリー計画の、チャンドラX線天文衛星、ハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡の3基によって撮影されました。当初のグレートオブザバトリー計画コンプトンガンマ線観測衛星を含む4基での運用でしたが、ジャイロスコープに致命的な故障が見つかり2000年6月に大気圏に再突入し運用を終えているため、撮影時は3基となっています。

チャンドラX線観測衛星のX線データは紫、ハッブル宇宙望遠鏡で可視光データは赤・緑・青、スピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線データは赤に着色され、X線観測によるX線源や赤外線波長で観測される星雲の端にある星形成の環境を明らかにしています。

▲ハッブル宇宙望遠鏡による可視光撮影。3基の合成画像と比較するとガスや塵、X線源などの見え方が異なる。

 

Source

  • Image Credit:X-ray: NASA/CXC/Univ.Potsdam/L.Oskinova et al; Optical: ESA, NASA/STScI; Infrared: NASA/JPL-Caltech / NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI / AURA) - ESA/Hubble Collaboration
  • APOD - Hubble/Chandra/Spitzer composite image of NGC 602, in the “wing” of the Small Magellanic Cloud /NGC 602 and Beyond

文/sorae編集部