木星では現在探査機「ジュノー」が観測を行っていますが、同惑星では地球より大きく圧倒的に明るい巨大オーロラが発生していることが知られています。そして今回、理化学研究所は木星オーロラの爆発的増光の観測に成功したと発表しました。
木星のオーロラの発生には、これまでも太陽風と同惑星の衛星「イオ」からの火山性ガスが関わっていることが知られていました。しかし、どのようにしてガスが光速近くまで加速されるのかが不明だったのです。今回理化学研究所は観測衛星「ひびき」や宇宙望遠鏡「ハッブル」、そしてジュノーの観測結果を利用しています。
同研究所の発表によれば、まず木星遠方の約710万km以内に二酸化硫黄などの火山性ガスと木星磁場のエネルギーが大量に蓄積されます。そして太陽風によって磁場エネルギーがガスに移動し、高エネルギーガスが発生。次に高エネルギーガスが赤道域を木星に向かって運ばれ、数時間から20時間でイオ周辺のガスが濃密な領域に到達します。最後に高エネルギーガスが木星磁場に沿って地磁気緯度60度以上の極域に降下し、オーロラが爆発的に発光するのです。
というわけで、太陽風とイオ、それに木星磁場が複雑に絡み合って発生する同惑星のオーロラ。この先もジュノーによるさらなる観測結果に期待したいですね。
Image Credit: NASA
■木星オーロラの爆発的増光観測に成功
http://www.riken.jp/pr/press/2017/20170523_1/digest/
Last Updated on 2022/10/17