太陽系に「第9惑星」存在か 米天文学者らが論文発表

米カリフォルニア工科大学の研究チームは1月20日、太陽系の最も外側に位置する「海王星」の、さらに外側に、未知の惑星が存在する可能性があると発表しました。同内容の論文は米天文学会の専門誌「アストロノミカル・ジャーナル」に掲載されています。

この天体は暫定的に「プラネット・ナイン」と呼ばれています。研究チームによると、質量は地球の約10倍で、太陽からの平均距離が海王星の約20倍も離れた軌道を回っており、太陽のまわりを1周するのに1万年から2万年かかるといいます。

研究チームはまず、太陽系の外縁部にあるエッジワース・カイパーベルト天体の中の、6つの天体の軌道に着目。その形や特徴などから、大きな質量をもつ未知の天体があるのではと推測し、コンピューターを使ったシミュレーションなどを行い、その天体の大きさや軌道を導き出しました。

現時点では望遠鏡による直接観測はされていないが、地球から最も離れたところに位置していたとしても、ハワイにある「すばる」など世界最大級の天体望遠鏡を使えば観測は可能と見られており、今後の捜索に期待が集まっています。

もし存在が確認されれば、太陽系の第9惑星になる可能性があります。かつては冥王星が第9惑星とされていましたが、2006年に新たに惑星の定義が決まったことで、惑星から外れて準惑星に分類され、太陽系の惑星は8つとなっています(2020年現在)。

 

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Image Credit: Caltech/R. Hurt (IPAC)
Source: caltech