米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)は2014年12月29日、宇宙を航行中の探査機ドーンについて、その第2の目的地である準惑星ケレスに向けた「接近フェイズ」に入ったと発表した。到着は今年3月6日の予定だ。
ドーンは2007年9月27日に打ち上げられたNASAの探査機で、小惑星ヴェスタと、準惑星ケレスの、2つの星を探索することを目的としている。ドーンは打ち上げ後、2009年2月に火星をスイング・バイして加速し、2011年7月11日にヴェスタに到着した。そして約14か月にわたって探査を行い、2012年9月5日にヴェスタを離れ、次の目的地であるケレスへと舵を取った。
ドーンは2つの天体を訪れ、その軌道に入って探査を行う世界初の探査機だ。航行にはイオン・エンジンが使われており、これまでに5年にわたって稼動し続けている。これは世界最長の記録だ。
ヴェスタとケレスは共に、火星と木星の軌道の間の、小惑星帯の中に位置する。ヴェスタはこの小惑星帯の中で2番目に大きい天体で、一方のケレスは1番大きな天体だ。
ドーン計画の主任研究員を務めるChristopher Russell氏は「ケレスは、完全な謎に包まれています。ヴェスタは、地球に落下した隕石がその謎を解明するための手掛かりとなりましたが、ケレスはそれに当てはまりません。私たちが自信を持って予言できることは、そこに驚きが待っているだろうということです」と語る。
現在ドーンとケレスとの距離は約64万kmで、時速約725kmで近付きつつある。これから到着までの間に、ケレスの姿は徐々に鮮明になっていく。1月の終わりまでには、これまでに準惑星に関して得られている、あらゆるデータを超えるほどの質を持つ、写真やデータが得られるという。
ケレスに到着するのは、今から2か月後の3月6日の予定だ。
■JPL | News | Dawn Spacecraft Begins Approach to Dwarf Planet Ceres
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?feature=4425