スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社は1月6日、タイ王国タイコム公社の通信衛星「タイコム6(THAICOM 6)」を載せたファルコン9バージョン1.1(v1.1)ロケット を、ケープカナベラル空軍基地から打ち上げた。
ファルコン9ロケットはアメリカ東部標準時間1月6日17時6分(日本時間1月7日7時6分)に打ち上げられ、その約53分後に「タイコム6」を所定の静止トランスファー軌道に投入し、打ち上げが成功した。ファルコン9 v1.1ロケットによる静止トランスファー軌道への打ち上げは今回が2回目。
ファルコン9 v1.1はスペースX社が開発した新型ロケットで、従来のファルコン9に比べて打ち上げ能力や信頼性が向上、また製造方法を見直すことでコストダウンも図られた。打ち上げ能力は地球低軌道に約13t、静止トランスファー軌道に約4.9tで、従来のファルコン9より1割程度向上している。
各段に使用されるロケットエンジンは、これまでのマーリン1Cから、より強力なマーリン1Dへと換装された。マーリン1Dは推力の調節(スロットリング)機能を持っており、飛行時の負荷を低減させたり、またロケットを地上に着陸させたりといった芸当が可能になる。また第1段のエンジンの配置も、これまでの縦横それぞれ3基ずつ、田の字のように並べる方式から、オクタウェブと呼ばれる、8基を円形状に並べ、その中心に9基目を配置する方式に見直された。
「タイコム6」はタイコム公社によって運用される通信衛星で、オービタルサイエンス社が製造し、重さ約3300kg。18本のCバンドトランスポンダと8本のKuバンドトランスポンダを搭載し、アジア・太平洋地域、アフリカ等に高精細度テレビジョン放送サービスを提供する。
■SPACEX SUCCESSFULLY LAUNCHES THAICOM 6 SATELLITE TO GEOSTATIONARY TRANSFER ORBIT
http://www.spacex.com/press/2014/01/06/spacex-successfully-launches-thaicom-6-satellite-geostationary-transfer-orbit