月の周辺の環境を調査する目的で打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の月探査機LADEEが10月6日、月周回軌道への投入に成功した。これから約4ヶ月に渡る探査が始まる。
LADEE(Lunar Atmosphere and Dust Environment Explorer)は、月の表面に存在するごくごく僅かな大気の構成や変化、また塵の構成を観測し、月の環境について調査するほか、新型のレーザー通信機器の実証試験を行うために開発された探査機で、今年9月6日にミノタウロスVロケットによって打ち上げられた。
LADEEは協定世界時10月6日の10時53分ごろ、第1回月軌道挿入マニューバー(Lunar Orbit Insertion Maneuver 1、LOI-1)を実施、約4分間に渡ってスラスターを噴射し、同10時57分、月を周回する軌道へと入った。
現在は楕円軌道だが、今後10月9日にLOI-2を、そして12日にLOI-3を実施し、徐々に月を中心とした円軌道へ近づけられる。LOI-3が完了した後、1ヶ月の試験運用が行われ、さらにその後、3ヶ月間に渡る本格的な探査が始まる予定だ。
米国の政府閉鎖の中にあっても、LADEEの運用は通常どおり行われてはいるが、プレスリリースなどは出されておらず、今回の月到着に関する情報はSpaceflight nowなどのメディアや、関係者のTwitterなどを通じてその成功が明かされた。
■Spaceflight Now | Breaking News | LADEE arrives at the moon for lunar science mission
http://www.spaceflightnow.com/minotaur/ladee/131006loi/