インターナショナル・ローンチ・サービシズ(ILS)社は6月3日、通信衛星SES-6を搭載したプロトンM/ブリーズMロケットを打ち上げた。
SES-6を搭載したプロトンM/ブリーズMは、バイコヌール現地時間6月3日15時18分(日本時間6月3日18時18分)、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地のLC-200/39から離昇し、その9分42秒後、プロトンからブリーズM上段が分離された。ブリーズMは累計5回に渡る燃焼をこなし、離昇から実に15時間31分後に衛星を分離、打ち上げは成功した。
SES-6はオランダの衛星通信企業SESワールド・スカイズ社が運用する通信衛星で、北アメリカ、ラテンアメリカ、カリブ海、欧州、そして大西洋の地域に通信サービスを提供する。製造はEADSアストリウムによって行われ、打ち上げ時の質量は6,100kg、東経319.5度の静止軌道で運用され、設計寿命は15年が予定されている。
今回SES-6は、スーパー・シンクロナス・トランスファー軌道と呼ばれる、遠地点(地球からもっとも遠い位置)が静止軌道の高度である36,000kmよりもはるかに高い軌道に投入された(今回は65,044km)。この軌道の利点は、静止軌道の傾斜角である0度への軌道変更が、通常の静止トランスファー軌道から行うよりも少ない燃料で可能となり、衛星側の搭載燃料を節約できることにある。ILS社のプロトンの打ち上げで、このスーパー・シンクロナス・トランスファー軌道へ衛星を投入したのは今回で2度目となる。
■Commercial Rocket Launch | SES-6 | Success Release | International Launch Services
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