カナダ宇宙庁(CSA)は9日、先日故障したレーダーサット1の復旧を断念した。
レーダーサット1(Radarsat-1)は1995年11月4日に打ち上げられた合成開口レーダー(SAR)を搭載した地球観測衛星で、当初の設計寿命を遥かに超えて、数多くの写真を撮影し、地形や環境の変化、また災害の様子などの観測を続けていた。しかし今年3月29日に運用ができなくなり、CSAでは問題解決に当たっていたものの復旧する見込みがないと判断、運用終了を宣言した。
レーダーサット1の設計寿命は5年とされており、運用終了時点で実に17年に渡って動き続けたことになる。
「レーダーサット1はカナダを宇宙における世界的なリーダーに位置づけた、数多くの世界トップレベルの技術の中の、その最たるものとなりました」。
カナダの産業大臣であり、CSA担当相も務めるクリスチャン・パラディ氏はこのように述べ、レーダーサット1の偉業を称えた。
なお現在、軌道上では2007年に打ち上げられたレーダーサット2が活躍中であり、また2018年にはさらにその後継機が打ち上げられる予定になっている。
■RADARSAT-1: Seventeen Years of Technological Success - Canadian Space Agency
http://www.asc-csa.gc.ca/eng/media/news_releases/2013/0509.asp