米スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ社(スペースX社)が開発している、垂直離着陸(VTVL)実験機グラスホッパーが、高度250mまで上昇した。

グラスホッパーは将来のVTVLロケットの実現に向けて、ファルコン9を基に開発され、実験が続けられている機体だ。VTVLとはVertical Takeoff, Vertical Landingの略で、つまり垂直に離昇して、垂直に着陸できる、昔のSFに出てきたようなロケットのことで、これまでのロケットは使い捨てが普通だったが、同社では打ち上げコストを下げるため、飛行機のように同じ機体を繰り返し使用することを狙っており、そのためにVTVLのような技術が必要となる。

高度以外の詳細はスペースX社から提供されていないが、連邦航空局(FAA)によれば4月17日に実施されたようだ。

スペースX社は先日、次に打ち上げるファルコン9(Falcon9 v1.1)から第1段の再使用を試みると明言し、将来の完全再使用ロケットの実現に向けて本格的に動き始めている。グラスホッパーの飛行試験も、今後もさらに高度を上げつつ継続されることになるだろう。

同機の飛行試験はこれが5回目になる。1回目は2012年11月に行われ高度2.5mまで上昇、2回目と3回目は12月に行われ、それぞれ高度5.4mと40mまで上昇し、そして今年3月には80mまで上昇し、無事に着陸に成功している。

 

■Grasshopper 250m Test | Ring of Fire - YouTube
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=NoxiK7K28PU