
(引用元:NASA)
こちらは、土星の衛星「ハイペリオン(Hyperion)」です。アメリカ航空宇宙局(NASA)の土星探査機「カッシーニ」が2005年9月26日に取得したデータをもとに作成された疑似カラー画像です。まるでスポンジのような独特の凹凸が特徴的ですね。
ハイペリオンは、楕円形に近いいびつな形状をしていることや、土星を公転する際に予測が困難なほど不規則な自転をすることで知られています。この不規則な自転の原因の一つとして、土星最大の衛星タイタンの重力が影響していることが判明しています。いびつな形状のハイペリオンがタイタンに接近すると、その重力によって自転速度が加速・減速し、不規則な自転を引き起こすと考えられているのです。
さらに、このスポンジ状の外観は、多数の衝突によって形成されたクレーターや高い空隙率が関係していると見られています。土星の衛星の中でも特に異彩を放つ存在ですね。
土星探査機カッシーニとは
カッシーニは土星とその環や衛星を詳しく観測するために開発されたNASAの探査機です。全長は6.8mで、地球から遠く離れた土星を探査することから直径4mの高利得アンテナを備え、電源には放射性同位体熱電気転換器を採用。科学機器としてカメラ、分光計、宇宙塵分析器、磁力計、レーダーなどが搭載されていました。これらの機器類に加えてカッシーニには、土星の衛星タイタンに着陸するESAの着陸機「ホイヘンス(Huygens)」も搭載されていました。
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編集/sorae編集部