【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

こちらは、土星の衛星「フェーベ(Phoebe)」です。この画像は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の土星探査機「カッシーニ」が、2004年6月11日にフェーベへ接近した際に撮影したものです。この高解像度画像は表面の特徴が明瞭に捉えられています。

※…NASAが公開しているオリジナル画像はフェーベのみの縦長画像です。当サイトでの掲載にあたり、表示を整えるため、左右に黒い背景を追加しています。

Source
  • Image Credit: NASA/JPL, Edit: sorae
  • NASA - Phoebe

 

フェーベは、アメリカの天文学者ウィリアム・ヘンリー・ピッカリング(William Henry Pickering)によって、1899年3月17日に発見されました(※)。直径は約213kmほどで、表面は多数のクレーターに覆われています。その中でも特に大きなクレーターは直径約100kmに及び、これはフェーベ本体の直径のおよそ半分を占めるほどの巨大なものです。

また、フェーベは土星の自転方向と逆向きに公転する「逆行軌道」を持つことで知られています。さらに土星本体から比較的遠い軌道を回っていることから、もともと土星系外部にあった天体が土星の重力によって捕獲された可能性が高いと考えられています。

※…実際の観測は1898年8月16日に撮影された写真乾板に基づいており、その分析によって翌年に発見が確定したとされています。

ボイジャー2号が撮影した土星の衛星フェーベ
【▲ 参考:1981年9月4日にボイジャー2号が撮影した土星の衛星フェーベ(Credit: NASA/JPL)】

 

土星探査機カッシーニとは

土星を周回する軌道に入る土星探査機「Cassini(カッシーニ)」の想像図
【▲ 土星を周回する軌道に入る土星探査機「Cassini(カッシーニ)」の想像図(Credit: NASA/JPL)】

カッシーニは土星とその環や衛星を詳しく観測するために開発されたNASAの探査機です。全長は6.8mで、地球から遠く離れた土星を探査することから直径4mの高利得アンテナを備え、電源には放射性同位体熱電気転換器を採用。科学機器としてカメラ、分光計、宇宙塵分析器、磁力計、レーダーなどが搭載されていました。これらの機器類に加えてカッシーニには、土星の衛星タイタンに着陸するESAの着陸機「Huygens(ホイヘンス)」も搭載されていました。

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編集/sorae編集部

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