
「カルダシェフ・スケール」を知っていますか?
カルダシェフ・スケール(Kardashev Scale)は、天文学者ニコライ・カルダシェフが提案した「宇宙文明の発展レベルを示す指標」です。エネルギーの利用範囲によって文明を段階的に分類しており、拡張案や修正案などを含めると、一般的には以下のように定義されています。
- タイプ1文明:自分の惑星で利用可能なエネルギーを使用できる
- タイプ2文明:自分の恒星や惑星系で利用可能なエネルギーを使用できる
- タイプ3文明:自分が所属している銀河系で利用可能なエネルギーを使用できる
- タイプ4文明:複数の銀河系で利用可能なエネルギーを使用できる
人類はどの文明レベルにいるのか

狩猟採集社会を含むタイプ0とタイプ1の中間に位置する文明段階があると仮定すると、私たち人類は今、タイプ0.75ほどとされています。現在の科学技術が順調に発展し続ければ、数百年後にはようやくタイプ1に到達すると見込まれています。
動画でわかるカルダシェフ・スケールの詳細
下記の動画「What Do Alien Civilizations Look Like? The Kardashev Scale」では、カルダシェフ・スケールをさらに細かいカテゴリーに分けて解説しています。タイプ0.75付近にいる私たち人類をはじめ、さまざまな可能性を持つエイリアン文明についても触れられています。
タイプ1未満の文明と電波の行方
タイプ1未満の文明は地球以外にも存在する可能性があります。しかし、人類が発する電波は銀河のほんの一部にしか届きません。仮に電波が数光年先のエイリアンへ届いたとしても、彼らにとっては意味のないノイズとしか認識されないかもしれません。

タイプ1からタイプ3への発展と未知の技術
- タイプ1からタイプ2
他の星や惑星系を開拓しようとする段階です。恒星エネルギーを大規模に利用することで、新たな資源や居住地を求めるフェーズに入ります。
- タイプ2からタイプ3
銀河系全体への進出と支配を目指す段階です。数千年を要するような距離移動や大規模なエネルギー管理など、現代の私たちには想像を超える技術が必要とされます。
文明がタイプ3に近づくにつれ、どのように宇宙を旅し、エネルギーを活用するのかなど、現在の人類にはほとんど理解できない領域となります。
タイプ3以上の文明は存在するのか?
もしすでにタイプ3のような高度な文明が存在していれば、その大規模活動の痕跡が観測されるはずだと考えられています。そのサインが見つかっていないため、「タイプ3のエイリアンはまだ誕生していない」と推測されることが一般的です。
しかし、「進歩した文明は当然宇宙進出を果たしているはず」という考え方自体、まだタイプ1に達していない私たち人類の未熟な推測かもしれません。タイプ3以上の文明から見れば、地球文明はアリの巣程度の小ささかもしれず、わざわざ干渉する必要がないと考えている可能性もあるのです。
なぜエイリアンに出会えていないのか
私たちがまだエイリアンに遭遇していない理由としては、以下のような仮説があります。
- 私たちの存在が気付かれるほどの影響力がない
タイプ3以上の文明から見れば、人類の発する電波や探査機は微弱で、見過ごされている可能性。
- 遠すぎる距離と時間
数千年や数万年をかけないと移動できないほど宇宙は広大であり、まだ人類との接触機会がない。
- 観測手段の未熟さ
宇宙からのシグナルがあったとしても、私たちが見落としている可能性。

私たちはまだ0.75、宇宙はこれからが本番
カルダシェフ・スケールによれば、私たち人類はまだタイプ1にも到達しておらず、未知の可能性は膨大にあります。現時点ではエイリアンとの接触事例がないものの、今後技術が飛躍的に進めば、まったく新しい発見があるかもしれません。
詳しい解説や具体例は動画内で紹介されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
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source: YouTube
文/sorae編集部