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コペンハーゲン大学のHaiyang Wang氏を筆頭とする研究チームは、地球と火星がどのように形づくられたのかを、2つの惑星に残る元素の組成から調べた研究成果を発表しました。研究チームの成果をまとめた論文は学術誌「Nature Astronomy」に掲載されています。

ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が2024年12月28日に観測した火星(Credit: Image: NASA, ESA, STScI; Image Processing: Joseph DePasquale (STScI))
【▲ ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が2024年12月28日に観測した火星(Credit: Image: NASA, ESA, STScI; Image Processing: Joseph DePasquale (STScI))】

岩石惑星はどのように成長するのか

地球や火星のような岩石惑星の成長については、大きく2つの考え方があります。

1つは、塵(ダスト)が集まってできた岩石質の小天体である「微惑星」どうしが、衝突と合体を繰り返して大きくなるというもの。もう1つは、成長途中の惑星である「原始惑星」が、「ペブル」と呼ばれる小石サイズ(ミリメートル~センチメートル台ほど)の粒子を次々と取り込んでいく「ペブル集積」です。

微惑星の合体とペブルの集積、両方の仕組みが組み合わさって惑星が成長したとする考え方もありますが、約46億年前に誕生したとされる地球と火星がどのように成長したのかは、はっきりとはわかっていませんでした。

気化しやすい元素に残る成長の痕跡

研究チームは今回、地球や火星の組成には成長の仕方の違いによる痕跡が残されているはずだと考えて、分析を行いました。手がかりとなったのは、ナトリウム、カリウム、亜鉛といった、高温で比較的気化しやすい「揮発性元素」です。

地球と火星の地殻やマントルでは、こうした元素が誕生した頃の太陽の組成と比べて乏しくなっているといいます。研究チームは、成長した原始惑星がまとう高温のガスの中を落下していくペブルは加熱を受け、含まれている揮発性元素が気化して失われると考えました。一方、微惑星の組成については、揮発性元素が強く失われていることで知られる小惑星「Vesta(ベスタ)」に似た組成だったと仮定しました。

地球は「ペブル集積」火星は「微惑星の合体」で主に成長?

分析の結果、地球の質量のうち少なくとも75%はペブル集積で成長した2つの原始惑星に由来し、最大25%は微惑星に由来すると推定されました。ここでいう2つの原始惑星とは、成長途中の地球と、そこに衝突した天体を指します。

一方、火星の質量のうち約73%は微惑星に由来し、約27%はペブル集積に由来すると推定されました。地球よりもペブル集積の寄与率が低い理由として、火星よりも質量が大きかった他の原始惑星の重力によって、火星の軌道が乱された可能性を指摘しています。

微惑星の組成などは仮定にもとづいており、具体的な寄与率は条件によって変わり得るものの、地球と火星は微惑星の合体とペブル集積の割合が異なる過程で形成された可能性が一貫して示されたとWang氏は述べています。

生命を育む惑星を見極める手がかりに

今回の結果について研究チームは、惑星は微惑星の合体とペブルの集積という両方の仕組みが組み合わさって成長するという考え方を支持するものだと受け止めています。

論文の共著者であるコペンハーゲン大学のAnders Johansen氏は、「地球と火星は同じ太陽系で隣り合って形成されたのだから、形成の歴史も似通っているだろうと予想するかもしれませんが、異なる方法で形成されたとみられることに驚かされました」と述べています。

Johansen氏によると、惑星の形成過程で揮発性元素がどのように失われるのかを理解できれば、惑星が最終的に保持する水の量や生命を支える物質の量も、より正確に予測できるようになるといいます。今回の成果は、太陽系外の岩石惑星が生命を育める環境を持ち得るのかどうかを見極める手がかりにもつながるとして期待されます。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典