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塵に阻まれても美しい姿 ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた“隠された銀河”こと「IC 342」

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した渦巻銀河「IC 342」。

きりん座の方向、約1100万光年先にあります。

高温のガスと星々が集まる銀河の明るい中心部、その周りでは塵の豊富な暗い雲が入り組んだ模様を描き、青く若い星々が輝く渦巻腕(渦状腕)が包み込む、そんな壮大な光景を捉えています。

ハッブル宇宙望遠鏡が観測した渦巻銀河「IC 342」(Credit: NASA, ESA, P. Sell (University of Florida), and P. Kaaret (University of Iowa); Image processing: G. Kober (NASA Goddard/Catholic University of America))
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が観測した渦巻銀河「IC 342」(Credit: NASA, ESA, P. Sell (University of Florida), and P. Kaaret (University of Iowa); Image processing: G. Kober (NASA Goddard/Catholic University of America))】

NASA(アメリカ航空宇宙局)によれば、IC 342の中心部では「HII(エイチツー)領域」が広がっています。HII領域は若い高温の星々が放射する紫外線によって電離した水素ガスが赤みがかった光などを放つ領域で、電離水素領域とも呼ばれます。

こうした領域はエネルギーに満ちた星の誕生の場であり、200万~300万年ほどの期間に数千もの星が形成されることがあります。ここで新しく生まれた若く高温の青い星々は強い紫外線を放ち、周囲の水素をさらに電離させています。

天の川銀河に視界をさえぎられた「隠された銀河」

NASAによれば、直径約5万光年のIC 342は8.4等級と比較的明るい銀河ですが、地球の夜空ではあまり目立ちません。

その理由は、地球から見たIC 342が天の川銀河の銀河面、つまり天の川と重なる方向に位置しているためです。天の川は私たちが住む天の川銀河にある厚いガスや暗い塵、輝く無数の星々が重なって見えているものであり、天の川銀河の外にある天体を見ようとした時に、観測のさまたげになってしまうのです。

もしもこれほど多くの星間物質が集まっていなければ、IC 342は私たちの夜空で最も明るく見える銀河の一つになっていたかもしれないといいます。その観測の難しさから、IC 342は「Hidden Galaxy(隠された銀河)」というニックネームで親しまれています。

冒頭の画像はNASAから2022年5月11日付で公開されました。

本記事は2022年5月14日公開の記事を再構成したものです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典