
こちらは、NASA=アメリカ航空宇宙局の「アポロ8号」ミッションで撮影された、Earthrise=地球の出。
アメリカ東部標準時1968年12月24日11時40分頃に撮影されました。日本時間では翌25日の1時40分なので、クリスマスイブ当日からはちょっと過ぎているタイミングです。

アポロ8号は、アポロ計画で後に実施された有人月面着陸に備えたミッションのひとつです。クルーが搭乗する円錐形の司令船と、エンジンなどを備えた機械船(支援船)が一体となった司令・機械船を使用し、初めて有人で月を周回して戻ってくることに成功しました。
搭乗していたのは船長のFrank Borman宇宙飛行士、司令船操縦士のJames Lovell宇宙飛行士、月着陸船操縦士のWilliam Anders宇宙飛行士(いずれも当時)の3名。印象的な地球の出は、Anders宇宙飛行士によって撮影されました。
それからほぼ40年後。JAXA=宇宙航空研究開発機構の月周回衛星「かぐや(SELENE)」は、月の地平線から昇る地球の出を動画で撮影しています。
撮影日時は日本時間2008年4月6日6時44分~45分で、「かぐや」に搭載されていたハイビジョンカメラが使用されました。
満月と同じように欠けたところのない地球の姿を捉えたことから、JAXAでは「満地球の出」と表現しています。
【▲ 月周回衛星「かぐや」のハイビジョンカメラで撮影した“満地球の出”(Credit: JAXA/NHK)】
アポロ8号で月を周回したLovell宇宙飛行士は、1970年4月のアポロ13号に船長として搭乗し、月のフラ・マウロ高地へ着陸する予定でした。しかし、月へ向かう途中で機械船の酸素タンクのひとつが爆発する事故が発生してしまいます。
Lovell宇宙飛行士ら3名は月着陸船のシステムを立ち上げて乗り移り、司令船はシャットダウン。アポロ13号は月面着陸することなく、アポロ8号と同じように月を周回して地球へ向かい、クルーとNASA職員らの奮闘の甲斐あって帰還することに成功しました。
地面を離れて地球を周回し、重力を振り切って月や惑星へと飛び立ち、本来なら生存できない空間で何か月も活動し続けられる環境を構築してきた、人類の宇宙技術。
衛星通信、カーナビやスマホの地図アプリ、天気予報、災害対策といった様々な分野を支えるテクノロジーですが、危険が過去のものになったわけではありません。
2003年2月のスペースシャトル「コロンビア」空中分解事故以降、ミッション中に宇宙飛行士が命を落とす事故は起きていません。しかし、2018年10月にはロシアの「ソユーズMS-10」宇宙船が打ち上げに失敗して緊急脱出が行われていますし、先日も中国の「神舟20号」宇宙船で窓に亀裂が見つかり、クルーが代替の宇宙船で帰還する出来事がありました。
世界中でより頻繁に行われている無人のミッションに目を向ければ、ロケットの打ち上げ失敗や、軌道に投入された宇宙機の通信途絶といったアクシデントは、少なからず発生しています。天候以外の技術的な理由で打ち上げが延期されるような、重大なアクシデントに至らないトラブルも含めれば、その数はさらに増えます。
失敗とは、何らかの理由で目的通りではない結果に至ること。思い通りにならなかった出来事から学び取り、次の成功を目指していく取り組みは、宇宙開発でも私たちの日頃の暮らしでも変わりません。
より良い明日を目指す一人ひとりの歩みを、互いに心から応援していきたいなと思います。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - Apollo 8 Mission image, Earth over the horizon of the moon
- NASA - Earthrise: The 45th Anniversary
- JAXA - 月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による「満地球の出」撮影の成功について






















