中華人民共和国は12月27日、地球観測衛星「遥感衛星二十六号」を搭載した長征四号乙ロケットの打ち上げに成功した。遥感衛星シリーズの打ち上げは12月11日以来となり、また今年だけでも7機目の打ち上げとなった。

ロケットは北京時間2014年12月27日11時22分(日本時間2014年12月27日12時22分)、太原衛星発射センターの9号発射施設から離昇した。その後、中国政府や国営メディアは打ち上げ成功と発表した。

また米軍が運用する宇宙監視ネットワークは、近地点高度約485km、遠地点高度491km、軌道傾斜角97.4度の軌道に、遥感衛星二十六号とロケットの第3段と思われる、2つの物体が乗ったことを検知している。

中国政府の発表によれば、遥感衛星二十四号は地球観測(リモート・センシング)衛星で、科学試験や災害対策、農作物の管理を目的としているとされる。だが、軍事目的でも使用されていることは半ば公然の秘密となっている。

遥感と名のつく衛星には、電子光学センサーを搭載するものと、合成開口レーダー(SAR)を搭載するもの、そして3機同時に打ち上げられて編隊で飛行し、艦艇から出る電波を傍受するものの、大きく3種類があるとされている。今回軌道に乗った衛星は1機なので、まず電波傍受衛星の線は消える。

また、過去に太原から長征四号乙で打ち上げられ、高度500km弱の軌道に投入された遥感衛星は、遥感衛星五号、十二号、二十一号のシリーズと、遥感衛星十四号しかないが、今年9月8日に遥感衛星二十一号が打ち上げられた際、同シリーズはこれで最後であると中国メディアによって報じられており、したがって遥感衛星十四号シリーズの2号機である可能性が高い。また、今回の打ち上げに使われた衛星フェアリングは、遥感衛星五号シリーズのときのものと比べ一回りほど太い、遥感衛星十四号の打ち上げの際に使われたものと同じであることもその傍証である。

遥感衛星十四号は2012年5月10日に打ち上げられ、電子光学センサーを積んだ衛星だとされる。

打ち上げに使われた長征四号乙は、中国の上海航天技術研究院(SAST)が開発したロケットで、長征四号シリーズの一つとして主に極軌道への衛星打ち上げに使われている。

長征四号はもともと、長征二号を静止衛星打ち上げロケットに発展させる検討が行われた際に、SASTが提案した構成で、長征二号に四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンを使用する第3段を追加している。だが、中国運載火箭技術研究院(CALT)が液体酸素と液体水素を使用する第3段を搭載した構成を提案、最終的にCALT案が選ばれ、これが現在の長征三号となった。

一方、このCALT案は液体酸素と液体水素を使う先進的な設計だったため、そのバックアップとしてSAST案も開発が行われた。その後長征三号が無事に実用化されたため、SAST案は極軌道打ち上げロケットへと転用され、すなわちそれが今の長征四号である。

長征四号の最初の機体、長征四号甲は1988年9月6日に初飛行し、1990年9月3日に2機目が打ち上げられ、引退した。その後1999年5月10日に、長征四号甲のフェアリングを大型化し、またエンジンなどに改良を施して打ち上げ能力を高めた長征四号乙が登場、さらに2006年4月26日には、第3段に再点火可能なYF-40エンジンを搭載した長征四号丙が投入された。

長征四号は今回を含め42機が打ち上げられており、昨年12月に長征四号乙が初めて失敗した以外は、安定した打ち上げを続けている。

 

■我国成功发射遥感卫星二十六号 _图片_新闻_中国政府网
http://www.gov.cn/xinwen/2014-12/27/content_2797590.htm