インターナショナル・ローンチ・サービシーズ(ILS)社は15日、トルコの通信衛星トルコサット4Aを搭載したプロトンM/ブリーズMロケットの打ち上げに成功した。プロトンMの打ち上げは今年初。昨年の大規模な打ち上げ失敗事故の汚名を返上すべく、力強いスタートを切った。

トルコサット4Aを積んだプロトンM/ブリーズMは、現地時間2月15日3時9分(日本時間同日6時9分)、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の81/24発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、9時間12分後に衛星を所定の軌道へと送り込んだ。

トルコサット4Aはトルコの国営企業、トルコサット社が運用する通信衛星で、トルコ全土のほか、中央アジア、ヨーロッパ、中近東、アフリカに向けて、放送やデータ通信、インターネットなどのサービスを提供する。

衛星は日本の三菱電機によって製造された。過去のトルコサット社の衛星はすべて欧州製であったが、トルコサット4Aでは三菱電機は欧米のメーカーとの厳しい競争に勝ち、受注に至った。その理由として、三菱電機では「DS2000の高い信頼性と軌道上実績が評価された」結果であるとしている。DS2000は三菱電機が開発した衛星バスで、衛星バスとは胴体や電源、スラスターなど、人工衛星の基本となる「箱」のことだ。DS2000はこれまでに「みちびき」や「ST-2」、スーパーバード7といった衛星に使われており、トルコサット4Aで累計9機目となる。打ち上げ時の質量は4,850kgで、設計寿命は15年以上が予定されている。

現在同機は、地球にもっとも近い高度が9,673km、もっとも遠い高度が35,786km、赤道となす角度が12.7度の軌道に乗っており、今後、東経42度の静止軌道へ移行する。

また今年中にも、同型のトルコサット4Bも打ち上げられる予定だ。

 

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