ファルコン9ロケット、次の打ち上げから再使用試験を実施

スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社の創業者イーロン・マスク氏は、3月28日に行われたドラゴン補給船運用2号機の帰還後の記者会見において、次のファルコン9ロケットの打ち上げから、ロケットの再使用に向けた回収試験を行うと明かした。

ファルコン9ロケットは現在スペースX社が運用中の主力ロケットで、先日のドラゴン補給船運用2号機を含め、これまで5機が打ち上げられている。そして現在、エンジンと推進剤タンクを大幅に改良したファルコン9 バージョン1.1(ファルコン9 v1.1)が開発されており、今年の6月18日にカナダの衛星カシオペ(CASSIOPE)を搭載して、初めての打ち上げを実施する予定となっている。そしてこの打ち上げで、第1段を回収する実験が試みられる。

マスク氏はこの実験について「第1段は分離後、まず弾道を描き、そして大気圏再突入の前に衝撃を和らげるために減速噴射を実施します。またその後、着水の寸前にもう一度エンジンを噴射することになります」と説明した。

マスク氏は、この回収実験が1度や2度で成功するとは思っておらず、成功の前にいくつかの失敗を経験するだろうとも語り、またこの着水実験を何度かこなした後、来年の中ごろを目処に、打ち上げた発射場と同じ場所に、第1段を軟着陸させる実験に着手したいと明かした。
「私たちの真の目標は、完全に再使用ができるロケットを開発することです」と、マスク氏は力強く宣言した。

またこの会見では、ドラゴン・バージョン2(ドラゴン v2)と呼ばれる、ドラゴン宇宙船を大幅に改造する計画も明かされた。ドラゴン v2では現在姿勢制御用のスラスターが付いている部分に大推力のスラスターを配置、また底部に着陸脚を装備し、地上の狙った地点に軟着陸できるようになる。パラシュートを使った現在の着陸方法に比べ、機体に掛かる負荷が少なくなり、再使用をしやすくなるという。機体の詳細は今年末に明かされるとのことだ。

これらファルコン9とドラゴンの大変革は、2011年に同社が発表したビデオの中で予告されていたが、今回初めて実現の時期を含めて、明言された形となる。

 

■Coming soon: SpaceX capsule, booster that land on solid ground | FLORIDA TODAY | floridatoday.com
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