ロシア連邦宇宙庁は11日、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資を搭載した補給船プログレスM-18Mの打ち上げに成功した。ISSへ向けたプログレスの打ち上げは今回で50機目となる。

プログレスM-18Mを搭載したソユーズUロケットは、バイコヌール現地時間20時41分46秒(日本時間23時41分46秒)、カザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地の、通所ガガーリン発射台と呼ばれるLC-1/5から離昇した。その約9分後に軌道に到達、打ち上げは成功した。プログレスM-18Mには宇宙飛行士たちの食料や生活必需品をはじめ、ISSで使われる実験機器やISSに供給するための燃料や酸素など、約2.6tの補給物資が搭載されている。

プログレスはこの後、約6時間後の日本時間12日3時40分頃に、ISSのピアース・モジュールに到着する見込みだ。

前回、前々回に引き続き、今回もプログレスは"ショート・カット"を使ってISSへと向かった。以前はプログレスや有人のソユーズ宇宙船が打ち上げられてからISSに到着するまでは約2日がかかっていたが、ソユーズUロケットを完璧なタイミングで打ち上げ、完璧な軌道にプログレスを投入することで、これを約6時間にまで短縮することに成功した。これまでにプログレスM-16M、同M-17Mの2度の運用で成功している。

この方法はいつも使えるわけではなく、バイコヌール宇宙基地の位置とISSの軌道の関係上、6時間でドッキングできる機会は3日に1度しか訪れない。また打ち上げ前にISSがデブリ回避などで軌道を変えた場合もまたこの方法は使えなくなってしまう。その場合は打ち上げを延期するか、今まで通りの2日間掛かる飛行プロファイルに換えなければならない。

ところで、プログレス補給船のドッキングまでの時間を短くしたところで、大した得にはならない。例えば緊急に物資が必要になったとしても、確かに今までよりは早く送り届けることはできるわけだが、打ち上げまでの準備の期間は変わらないし、もし2日は待てないが6時間は待てる、などという事態が発生したとしたら、それはそもそもISSを放棄せねばならないほどの緊急事態ということだ。

したがって、このプログレスのショート・カットは、有人のソユーズ宇宙船への使用に向けた試験的なものだ。ソユーズ宇宙船の船内は決して快適といえる造りではなく、ISSに到着するまでの2日間に宇宙飛行士は相当なストレスを受ける。それが6時間になれば大きく軽減されることになろう。もし今回の飛行でもショート・カットが何の問題もなく成功すれば、早ければ3月28日に予定されているソユーズTMA-08Mで、このショート・カット飛行が使われることになろう。

今回の打ち上げで改良型プログレスMの打ち上げは18機目となり(ただしプログレスM-12Mは打ち上げに失敗)、そして冒頭でも述べたように、ISSへ向けて打ち上げられたプログレス補給船は50機となった。

 

■ТГК «Прогресс М-18М» вышел на околоземную орбиту Пресс-служба ФГУП ЦНИИмаш, 11 февраля 2013 года