2016年10月、有人宇宙船「神舟11号」の打ち上げに使われた際の長征2Fロケット(Credit: Xinhua)

新華社通信は9月6日、中国の酒泉衛星発射センターから長征2Fロケットを使って9月4日に打ち上げられた再利用型の宇宙船が、2日間の運用を終えて予定された着陸地点に帰還したことを報じました。新華社通信は今回の飛行について、中国の再利用型宇宙船の研究において重要な突破口を開き、宇宙の平和利用のために簡易かつ低コストの往復輸送手段を提供するものだとしています。

帰還した再利用型の宇宙船がどのようなものなのか、その詳細は明らかにされていません。最近ではスペースXの「クルー・ドラゴン」やボーイングの「スターライナー」のようにカプセル型の宇宙船でも再利用可能なものが登場していますが、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストは中国の軍事筋からの情報として、米空軍で運用されている「X-37B」に似たスペースプレーンの可能性を報じています。X-37Bは2011年に退役したスペースシャトルよりも小さな無人のスペースプレーンで、直近のミッションについて概要は公開されているものの、その実態には謎が残されています。

アトラスVロケットのフェアリングに収納されるX-37B(Credit: Boeing)

また、SpaceNewsは、今回飛行した宇宙船が軌道を離脱する前に何らかの物体を軌道上に放出したことを報じています。ライデン大学の宇宙状況認識コンサルタントを務めるMarco Langbroek氏は、この物体が軌道離脱の2周前に宇宙船から放出されたとする分析結果に言及しています

今回打ち上げられた再利用型宇宙船がスペースプレーンであると断言できる情報はありませんが、SpaceNewsは中国運載火箭技術研究院(中国キャリアロケット技術研究院)の当局者Chen Hongbo氏が2017年に語ったとされるコメントをもとに、当時2020年頃に飛行試験が見込まれていた再利用型宇宙船が固定翼を備えた機体であることが示唆されるとしています。この宇宙船は20回以上再利用できるよう設計されており、打ち上げコストが5分の1~10分の1に削減されると同時に、打ち上げサイクルが大幅に短縮されるともChen氏は語ったとされています。

 

関連:謎の米空軍スペースプレーン「X-37B」6度目のミッションに向け打ち上げへ

Image Credit: ESA
Source: 新華社通信 / サウスチャイナ・モーニング・ポスト / SpaceNews
文/松村武宏

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