
(引用元:ESA/Hubble)
こちらは、天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)のひとつ「大マゼラン雲(大マゼラン銀河、LMC)」と、その周囲に残るガスのハローを描いた想像図です。左側の紫色の弧は大マゼラン雲の進行方向に形成された「バウショック(弧状衝撃波)」、右側に尾を引くように流れる淡い構造は、剥ぎ取られたガスの尾を表しています。
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大マゼラン雲は天の川銀河の約10分の1の質量を持つ矮小銀河で、約16万光年先に位置しています。多くの研究者は、大マゼラン雲が天の川銀河を周回しているのではなく、その近くをちょうど通過している途中だと考えています。そして宇宙規模における最近、天の川銀河に最も接近する軌道を通り過ぎたばかりだとされています。
この接近の際、天の川銀河の巨大なガスのハローが「ラム圧剥ぎ取り(ram-pressure stripping)」と呼ばれる現象を引き起こし、大マゼラン雲を取り巻いていたハローの大部分を吹き飛ばしてしまいました。観測の代表研究者であるSTScIのAndrew Fox氏は、この様子を「天の川銀河は巨大なドライヤーのようなもので、近づいてくる大マゼラン雲からガスを吹き飛ばしている」と表現しています。
ハッブル宇宙望遠鏡の「宇宙起源分光器(COS)」は、大マゼラン雲の背後にある28個のクエーサーの光を利用して、間に存在するハローのガスを紫外線吸収線で観測しました。その結果、残されたハローの差し渡し(直径)はわずか約5万光年で、同程度の質量を持つ他の銀河と比べて約10分の1しかないことが判明しました。それでも大マゼラン雲は約10%のハローガスを保持しており、現在も活発な星形成を続けています。もし大マゼラン雲がもっと小さな銀河であれば、ガスを完全に失い、年老いた赤い星だけが残る「死んだ銀河」になっていたかもしれません。
この想像図は2024年11月14日にESA/Hubbleから公開されました。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- ESA/Hubble - Encounter blew away most of smaller galaxy's gaseous halo
- NASA/STScI - NASA's Hubble Sees Aftermath of Galaxy's Scrape with Milky Way
- Mishra, S. et al. 2024 "The Truncated Circumgalactic Medium of the Large Magellanic Cloud", Astrophysical Journal Letters
























