
(引用元:ESA/Hubble)
今回紹介するのは、2007年12月17日に公開された、へび座(頭部)の方向約12億光年先に位置する「3C 321」の合成画像です。チャンドラX線観測衛星(X線:紫色)、ハッブル宇宙望遠鏡(可視光:赤色・オレンジ色)、スピッツァー宇宙望遠鏡(赤外線)のデータに加え、超大型干渉電波望遠鏡群VLA(電波)やイギリスのMERLIN電波望遠鏡網の観測データを組み合わせた多波長合成画像となっています。

3C 321は互いの周りを公転する2つの銀河で構成されており、どちらの銀河の中心にも超大質量ブラックホールが存在することが観測データから明らかになっています。
そのうち大きい方の銀河のブラックホールからは強力なジェットが放出されており、そのジェットがもう一方の伴銀河に衝突して進路を曲げられている様子まで読み取ることができます。ブラックホールのジェットが別の銀河に直接衝突する様子が観測されたのは、3C 321が史上初めてです。まるで映画スター・ウォーズに登場する惑星破壊兵器のように隣の銀河を撃ち抜くこの光景から、NASAの研究チームはこの銀河を「デス・スター銀河(Death Star Galaxy)」という愛称で呼んでいます。
ジェットが伴銀河に与える影響は破壊的なものだけではないと考えられています。ジェットの通過経路上では衝撃波によって星間ガスが圧縮され、新たな星形成を誘発する可能性も指摘されています。しかし、たとえ新たな星や惑星が誕生したとしても、ジェットがもたらす強烈な放射線は惑星の大気を破壊するほどの威力があり、生命が生存できる環境は到底望めないでしょう。
編集/sorae編集部
関連記事
- 楕円銀河M87のジェット周辺では新星が多く発生 ハッブル宇宙望遠鏡の観測データを分析
- 巨大なブラックホールが自転している証拠を発見か M87から噴き出すジェットの観測データを分析
- 超巨大ブラックホール周辺の構造とジェットの根元を初めて同時に捉えることに成功
参考文献・出典
- ESA/Hubble - "Death Star" : galaxy black hole fires at neighbouring galaxy
- NASA - “Death Star” Galaxy Black Hole Fires at Neighboring Galaxy

























