(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
この画像は、ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラで撮影された天王星と、ハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で撮影された天王星を並べたものです。どちらも同じ天王星ですが、撮影に用いられた波長や着色により、異なる天体のようにも見えます。
こちらは、2023年9月4日に観測された天王星の姿です。白い極冠に覆われた天王星の本体を淡く輝く多重のリングと幾つもの衛星が取り囲んでいる様子が精細に捉えられています。
この画像は「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の「近赤外線カメラ(NIRCam)」で取得したデータをもとに作成されました。ウェッブ宇宙望遠鏡は人の目で捉えることができない赤外線の波長で主に観測を行うため、公開されている画像の色は取得時に使用されたフィルターに応じて着色されています。
いっぽう、こちらの画像は、2022年11月10日にハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で可視光撮影された天王星の姿です。
淡い水色が美しい天王星、その右側は白い帽子のような雲に覆われています。ハッブル宇宙望遠鏡を運用する宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、これは都市上空のスモッグのように光化学的に生成された高高度のヘイズ(もや)です。ヘイズの縁のあたりには小さな嵐も幾つか写っているといいます。
可視光線では薄い青色をした穏やかな球体に見える天王星ですが、赤外線の波長で観測する(波長に応じて着色する)と全く別の天体のように見えてくるのです。
天王星の各画像に関する詳細は、以下の記事で紹介しています。
文/sorae編集部