こちらは2023年9月4日に観測された天王星の姿です。白い極冠に覆われた天王星の本体を淡く輝く多重のリングと幾つもの衛星が取り囲んでいる様子が精細に捉えられています。

【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で2023年9月に観測された天王星(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI)】
【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で2023年9月に観測された天王星(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI)】

この画像は「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope:JWST)」の「近赤外線カメラ(NIRCam)」で取得したデータをもとに作成されました。ウェッブ宇宙望遠鏡は人の目で捉えることができない赤外線の波長で主に観測を行うため、公開されている画像の色は取得時に使用されたフィルターに応じて着色されています。

ウェッブ宇宙望遠鏡を運用する宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、天王星は公転軌道に対して自転軸が約98度傾いている上に公転周期が約84年と長いため、北極と南極の昼と夜はそれぞれ42年間、北半球と南半球の夏と冬はそれぞれ21年間も続きます。現在の天王星は北半球の季節が夏で、夏至は2028年です。一方、アメリカ航空宇宙局(NASA)の惑星探査機「ボイジャー2号」が到達した1986年には南半球が夏を迎えていましたが、今の南半球は長い夜が続く冬を過ごしています。

可視光線では薄い青色をした穏やかな球体に見える天王星も、赤外線の波長で観測するとよりダイナミックな姿を見せてくれます。本体を覆う白い極冠は季節的なもので、北極付近は周囲よりも少し明るくなっているのがわかります。極冠の境界付近やそれよりも低い緯度には明るい嵐が幾つか写っており、その数、発生頻度、発生場所は季節と気象がもたらす影響の組み合わせに左右されている可能性があるといいます。

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【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で2023年9月に観測された天王星とその周辺(注釈付き)(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI)】
【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で2023年9月に観測された天王星とその周辺(注釈付き)(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI)】

2枚目の画像は同時に公開された天王星とその周辺の様子です。ラベルが付けられているのはすべて天王星の衛星で、既知の衛星27個のうち14個が写っています。なお、ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した天王星の画像は2023年4月にも公開されていますが、今回は前回と比べて画像の作成に使用されたデータが増えており(今回は4種類の近赤外線フィルターを通して取得したデータを使用、前回は2種類のみ)、より詳細な天王星の姿が得られています。

人類はこれまでに5500個以上の太陽系外惑星を発見していますが、その中には天王星や海王星と同じくらいの大きさがあるとみられる惑星が幾つもあります。このサイズの惑星がどのように機能するのか、どのような気象現象が起きているのか、どうやって形成されたのかを理解する上で、天王星の観測が助けになると期待されています。

ウェッブ宇宙望遠鏡が2023年9月に観測した天王星の画像はSTScIをはじめ、NASAや欧州宇宙機関(ESA)から2023年12月18日付で公開されています。

 

Source

  • STScI - NASA's Webb Rings in the Holidays with the Ringed Planet Uranus
  • NASA - NASA’s Webb Rings in Holidays With Ringed Planet Uranus
  • ESA/Webb - Webb rings in the holidays with the ringed planet Uranus

文/sorae編集部

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