三菱重工と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月29日2時、情報収集衛星レーダー予備機を搭載したH-IIAロケット27号機の打ち上げを中止すると発表した。新しい打ち上げ日はまだ未定となっている。
延期の原因は、打ち上げが行われる時間帯に、氷結層を含む雲の発生が予想されたためである。
氷結層とは、雲の中で温度が0度から-20度になっている部分を指しており、雲の中に氷の粒の層があるような状態にある。その氷の粒が、対流によりぶつかり合うことで電気が発生し、対流が激しい場合は落雷へとつながることが知られている。もしそこをロケットが通過し、雷がロケットに落ちると、機体が破壊されたり、電子機器などに影響が出る可能性がある。
H-IIAロケット27号機は、情報収集衛星レーダー予備機を搭載し、1月29日の10時21分に打ち上げることを目指して準備が進められていた。打ち上げ中止が決まった段階で、すでにロケットは組立棟から射点へと移動していたが、延期によっておそらくは一旦組立棟へ戻すものと思われる。
三菱重工とJAXAによれば、新たな打ち上げ日については、今後の天候状況などを踏まえ、決定し次第発表するとしている。