米国の民間企業シエラ・ネバダ社が開発中の宇宙船ドリーム・チェイサーが10月26日、初めてとなる滑空飛行試験をNASAドライデン飛行研究センターにおいて実施したものの、着陸に失敗した。

今回の飛行試験は、無人のドリーム・チェイサーの技術試験機(Engineering Test Article, ETA)をヘリコプターで上空から落下させ、自力で飛行と、滑走路への着陸を行わせるというもので、宇宙からの帰還を模したものであった。

太平洋標準時26日の11時10分ごろ、エリクソン・エアクレーン社のヘリコプターから投下されたドリーム・チェイサーETAは順調に滑空飛行し、エドワーズ空軍基地にある滑走路へ滑り込んできたが、着陸の段になって左側の着陸脚が出ず、そのまま着陸することとなった。

シエラ・ネバダ社やNASAは、その後どのように着陸したのかは、現在のところ明かしていない。左側の着陸脚が出なかったということは、右側の着陸脚と、前部に搭載されているスキッド(スキー板のような着陸装置)、そして左側の翼の3点で支持される形で滑走路に着陸したはずで、機体は大きな損傷を受けたであろう。NASASpaceFlight.comによれば、「ひっくり返ってしまった」という。機体の損傷の程度や、試験再開の時期についてもまだ不明である。

ドリーム・チェイサーは、NASAのCommercial Crew Integrated Capability (CCiCap)と呼ばれる、民間企業による有人宇宙船の実用化を支援する計画の下で開発が進められている宇宙船のひとつで、7名の乗員を乗せることができ、また他のカプセル型の2機――スペースX社のドラゴンとボーイング社のCST-100――とは異なり、スペースシャトルに似たリフティング・ボディを持ち、滑走路へ着陸できる上に、再使用もできるという特長を持つ。

 

■Statement from Sierra Nevada Corporation Regarding Dream Chaser© Free-Flight Test
http://www.sncorp.com/press_more_info.php?id=569

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