ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社は8月7日、米空軍の軍事通信衛星WGS-6を搭載した、デルタIVミディアム+(5,4)ロケットの打ち上げに成功した。今年のWGS衛星の打ち上げは、5月24日のWGS-5の打ち上げに次いで2度目となる。

WGS-6を載せたデルタIVミディアム+(5,4)は、アメリカ東部夏時間8月7日20時29分(日本時間8月8日9時29分)、フロリダ州にあるケープ・カナベラル空軍ステーション(CCAFS)のSLC-37から離昇した。その約40分後、ロケットは衛星を近地点高度441.7km、遠地点高度66,941km、傾斜角24度のスーパーシンクロナス・トランスファー軌道に投入した。今後衛星側のスラスターを使用し、静止軌道へと移動される。

WGSはアメリカ空軍によって運用されるワイドバンド・グローバル・サットコムの略で、今回打ち上げられたのはその6号機に当たる。WGSシステムはアメリカ国防総省やオーストラリア国防省、その連合軍間の通信で使用される。製造はボーイング社によって行われ、打ち上げ時の質量は約5.9t、設計寿命は14年が予定されている。

WGS-6が打ち上げられたスーパーシンクロナス・トランスファー軌道とは、遠地点(地球からもっとも遠い位置)が静止軌道の高度である36,000kmよりもはるかに高い軌道のことで、この軌道の利点は、静止軌道の傾斜角である0度への軌道変更が、通常の静止トランスファー軌道から行うよりも少ない燃料で可能となり、衛星側の搭載燃料を節約できることにある。

今回打ち上げに使用されたデルタIVはデルタIVミディアム+(5,4)と呼ばれる構成で、直径5mの衛星フェアリングと第2段を持ち、4基の固体ロケットモーターを装備している。

ULA社による次の打ち上げは、バンデンバーグ空軍基地からの偵察衛星NROL-65を載せたデルタIVヘビーロケットで、現時点で8月28日に予定されている。

 

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