スペースX社は7月5日、6月14日に実施した垂直離着陸ロケットの実験機グラスホッパーを325mまで上昇させた試験の模様を公開した。

スペースX社によれば、今回の飛行では初めてファルコン9-R用の飛行ソフトウェアが用いられたとしている。また今までの飛行試験では他のロケットに使われているものを使用していたが、より正確な飛行が可能になっているとしている。

グラスホッパーは将来のVTVLロケットの実現に向けて、ファルコン9を基に開発され、実験が続けられている機体だ。VTVLとはVertical Takeoff, Vertical Landingの略で、つまり垂直に離昇して、垂直に着陸できる、昔のSFに出てきたようなロケットのことで、これまでのロケットは使い捨てが普通だったが、同社では打ち上げコストを下げるため、飛行機のように同じ機体を繰り返し使用することを狙っており、そのためにVTVLのような技術が必要となる。

ファルコン9-Rはかつてはファルコン9 v1.1と呼ばれていた、ファルコン9ロケットの改良型で、オリジナルのファルコン9より打ち上げ能力や信頼性の向上が図られている。イーロン・マスクCEOは、ドラゴン補給船運用2号機の地球帰還後の記者会見において、ファルコン9-Rを使い完全再使用ロケットの開発に向けた実績を積むと明かしており、ファルコン9-RのRとは、再使用(Reusable)を指している。

グラスホッパーにファルコン9-R用のセンサーとソフトウェアが組み込まれたということは、ファルコン9-Rを使ってロケットの再使用試験を積むとする、イーロン・マスク氏の発言を裏付けるものになる。

 

■Grasshopper 325m Test | Single Camera (Hexacopter) - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=eGimzB5QM1M