スペースXは日本時間2023年12月29日、同社の「ファルコン・ヘビー」ロケットによる打ち上げミッション「USSF-52」でアメリカ軍の無人軌道試験機「X-37B」を打ち上げることに成功しました。X-37Bがファルコン・ヘビーで打ち上げられたのは今回が初めてです。

【▲X-37Bを搭載して打ち上げられたファルコン・ヘビー(Credit:U.S. Space Force )】
【▲X-37Bを搭載して打ち上げられたファルコン・ヘビー(Credit:U.S. Space Force )】

X-37Bを搭載したファルコン・ヘビーは、日本時間2023年12月29日10時7分(米国東部標準時2023年12月28日20時7分)に米国フロリダ州のケネディ宇宙センター39A射点から打ち上げられました。発射約3分後にファルコン・ヘビーのブースター2機が分離し、その後コア機体の1段目も分離に成功。ブースターは発射約8分後にケープカナベラル宇宙軍基地に着陸しました。一方、1段目は大西洋に着水し、機体の再利用は行われませんでした。

ブースターは今回が5回目の打ち上げと着陸で、これまでに2022年11月1日の「USSF-44」ミッション、2023年1月16日の「USSF-67」ミッション、2023年7月28日の通信衛星「Hughes Jupiter 3」打ち上げミッション、2023年10月13日のアメリカ航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機「Psyche(サイキ)」打ち上げミッションに使用されました。

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【▲発射台で打ち上げを待つファルコン・ヘビー(Credit:U.S. Space Force )】
【▲発射台で打ち上げを待つファルコン・ヘビー(Credit:U.S. Space Force )】

X-37Bはアメリカ宇宙軍(United States Space Force:USSF)とアメリカ空軍迅速能力開発室(Rapid Capabilities Office:RCO)が運用し、ボーイングが機体の開発と製造を行ったスペースプレーンです。これまでにユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケットで5回、スペースXの「ファルコン9」ロケットで1回、合計6回のミッションで飛行しています。直近となる6回目の「OTV-6」ミッションは2020年5月17日に打ち上げが実施され、X-37Bは2022年11月12日に地球へ帰還しました。OTV-6のミッション期間は過去最長の908日を記録しています。

【▲ OTV-6ミッションを終えて2022年11月12日に地球へ帰還したX-37B(Credit: Boeing/U.S. Space Force)】
【▲ OTV-6ミッションを終えて2022年11月12日に地球へ帰還したX-37B(Credit: Boeing/U.S. Space Force)】

アメリカ宇宙軍によると、今回の「OTV-7」ミッションではX-37Bが新しい軌道体制(orbital regime)で運用され、宇宙領域把握(Space Domain Awareness:SDA)技術の試験を行うということです。投入される軌道の詳しい情報は明らかにされていません。海外メディアのSpaceNewsによると、X-37Bは非常に機動性が高く、急速に軌道を変更できるため追跡が困難であると述べています。また、OTV-7では植物の種子が宇宙放射線に晒された際の影響を調べるNASAの実験「Seeds-2」も行われる模様です。

関連記事:米軍のスペースプレーン「X-37B」7回目のミッションへ 2023年12月打ち上げ予定(2023年11月16日)

 

Source

  • Image Credit: US Space Force
  • U.S. Space Force - United States Space Force launches seventh X-37B mission
  • Boeing - Boeing-built X-37B Orbital Test Vehicle Embarks on Seventh Mission
  • SpaceNews - SpaceX launches U.S. military spaceplane on Falcon Heavy rocket

文/出口隼詩

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