インタファクス通信は7日、ロシアの地球観測衛星コンドルが、打ち上げに向けた試験中に破損したと報じた。
コンドルは今月27日にストレラロケットによって打ち上げが予定されており、打ち上げ場所であるカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地において、最後の試験が進められていた。記事によれば電気試験中の事故とされているが、具体的な状況は不明だ。
一方、ロシアの宇宙開発に強いWebサイトRussianSpaceWebが明かしたところによれば、問題が発生したのはロケットのフェアリングと機器部分にある火工品であったとされる。火工品とは火薬を使った部品のことで、宇宙開発の分野では、ロケットの各段の切り離しや、衛星の分離、また衛星のアンテナや太陽電池の展開などを行う部分で使用されている。同Webサイトによれば、一部の火工品が不意に作動してしまい、交換する必要が生じたという。なお衛星への損害はなかったとされ、また打ち上げ時期への影響もないとのことだ。
コンドルはNPOマシノストロィエニヤ社によって開発された、質量1tほどの比較的小型の地球観測衛星で、光学センサー搭載型と合成開口レーダー(SAR)搭載型の2種類が開発されており、今回打ち上げられる1号機は光学センサーを搭載したバージョンである。光学センサーの解像度は、高度500kmから最高でも1mほどと、さほど高い数値ではないが、民間向けの地球観測衛星としては十分な性能を持っている。実際にコンドルはまず、民間向けにサービスを展開する計画となっており、またゆくゆくはロシア軍や、また海外にも売り込みがかけられる予定だ。
■Запуск спутника "Кондор" с Байконура отложен из-за повреждения при испытаниях - Новости - Интерфакс
http://www.interfax.ru/news.asp?id=311278