ヴァージン・ギャラクティック社は4月29日、宇宙船「スペースシップツー(SpaceShipTwo)」のロケットエンジンによる初の飛行試験を成功させた。

スペースシップツーを載せた母機ホワイトナイトツーは4月29日早朝、モハーベ空港を離陸した。離陸から約45分後にスペースシップツーが切り離され、ロケットエンジンを約16秒間噴射し、ロケットによる初の飛行試験を成功させた。今回の試験で、スペースシップツーの速度は音速を超え、高度も約17kmに達した。

スペースシップツーはヴァージン・ギャラクティック社が運用する予定のサブオービタル宇宙船で、スペースシャトルのように地球を回る軌道には乗らないものの、一般的に宇宙とされている高度100kmまで達することができる。宇宙空間に滞在できる時間は数分ではあるが、青い地球や黒い空を眺めることができ、また自由落下時に船内は無重量状態になる。現在いくつかの会社によってサブオービタル宇宙船の開発が行われており、その中でもスペースシップツーはもっとも実現に近い機体である。

同社はこれまでに、スペースシップツーのロケットモーターを搭載しない状態での滑空飛行を111回、ロケットモーターを搭載しての滑空飛行を3回実施している。またその一方で、同機に搭載されるロケットモーターツーと呼ばれるロケットモーターも27回の地上燃焼試験を経験している。今後、スペースシップツーのロケットエンジンによる飛行実験はさらに実施し、年内には宇宙(高度100km)に到達させる計画だという。

 

■VIRGIN GALACTIC BREAKS SPEED OF SOUND IN FIRST ROCKET-POWERED FLIGHT OF SPACESHIPTWO
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