オービタル・サイエンシズ社は13日、今月17日に予定されている打ち上げに向け、アンタレスロケットの"ウェット・ドレス・リハーサル"を実施した。

ウェット・ドレス・リハーサル(Wet dress rehearsal)とは、実際の打ち上げと同じ状況をシミュレーションし、ロケットのすべてのシステムが正常に機能するかを試験することを言う。ドレス・リハーサルという言葉自体に「舞台稽古」という意味があり、ロケットの場合は液体(液体酸素やケロシンといった推進剤など)が充填されることから、wet(濡れる)という単語が付けられている

しかし打ち上げ予定時刻(もちろん実際には打ち上げられない)の16分前に異常が見つかり、リハーサルは中止となった。オービタル・サイエンシズ社によれば、第1段にある予備のパイロ・バルブの2つのうち1つが正常に機能していなかったとしている。パイロ・バルブとは火薬が仕込まれたバルブ(弁)のことで、例えばある時までは絶対に流れてはいけない液体を、ある時に確実に流したいときなどに、火薬の爆発によって弁を開放させたり、また逆に液体の流れを咄嗟に止めたいときにも使用され、この場合は火薬によって配管に弁を閉鎖させる。熱や振動など、厳しい環境の中でもほぼ確実に作動してくれるので、宇宙機にとってはごく普通に搭載されている部品だ。

同社はそのバルブを交換する必要があるものの、打ち上げの予定に変更はないとしている。

現時点で打ち上げはアメリカ東部夏時間4月17日17時00分(日本時間4月18日6時00分)に予定されている。

 

■Orbital's Antares Wet Dress Rehearsal Test Identifies Engine Valve That Needs To Be Replaced
http://www.orbital.com/Antares-Cygnus/

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