ロシア連邦宇宙局は1月16日、昨年11月に打ち上げられ、エンジンの噴射に失敗し、コントロールを失った火星探査ミッション「フォボス・グルント(Phobos-Grunt)=フォボス・ソイル」について、太平洋上に落下したと発表した。

発表によると、「フォボス・グルント」はモスクワ時間1月15日21時45分頃(日本時間1月16日2時45分頃)に、チリ南部ウェリントン島の西約1250kmの太平洋上に落下したという。また、「フォボス・グルント」には中国初の火星探査機「蛍火1号」も搭載されており、こちらも一緒に落下し、失われた。

「フォボス・グルント」を乗せたゼニット・ロケットは11月9日に打ち上げられたが、「フォボス・グルント」のメインエンジン(MDU)が点火せず、予定されている火星に向かう軌道へ遷移できず、地球周回軌道で周回を続けていた。

「フォボス・グルント」はロシアの火星探査のサンプルリターンミッションで、火星の衛星フォボスに着陸した後、フォボス表面の土壌サンプルを採取し、地球に持ち帰る計画だった。一方、「蛍火1号」は重さ約115kg、カメラや磁力計などを搭載し、火星の近くで「フォボス・グルント」から分離し、火星周回軌道に投入された後、約1年間にわたって火星と衛星のフォボスを観測する予定だった。

 

■О ситуации с космическим аппаратом «Фобос-Грунт»
http://www.federalspace.ru/main.php?id=2&nid=18568