欧州宇宙機関(ESA)は4月2日、30年間休眠状態にあったブラックホールが目を覚まし、接近した巨大惑星(もしくは褐色矮星)を吸い込む現場が確認されたと発表した。

発表によると、このブラックホールは地球から約4700万光年離れた銀河NGC 4845の中心に存在しており、2011年頃に高エネルギーを検出したため、追跡観測を開始した。その結果、ブラックホールの質量は太陽の30万倍以上、木星の約14倍から30倍の天体がこのブラックホールに接近し、吸い込まれていることを特定したという。

今回の観測にはESAの「XMMニュートン観測衛星」、ガンマ線観測衛星「インテグラル」、アメリカ航空宇宙局(NASA)のガンマ線バースト観測衛星「スウィフト」、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「全天X線監視装置(MAXI)」が使用された。

今回の発表について、論文の筆頭著者であるビャウィストク大学のマレク・ニコラヨク氏は「今回の発見は驚きです。この銀河は少なくとも30年間は静かでした」と述べている。

ブラックホールは直接観測できないが、その周りに天体(恒星や惑星など)が存在していると、ブラックホールの巨大な重力によって、天体は(ガスになって)ブラックホールに吸い込まれる。この時、X線やガンマ線などが生じ、観測できる。

 

■Black hole wakes up and has a light snack
http://www.esa.int/Our_Activities/Space_Science/Black_hole_wakes_up_and_has_a_light_snack