部分月食中の月。2021年11月19日は「たいへん深い」部分月食が見られる(Credit: NASA)
【▲部分月食中の月。2021年11月19日は「たいへん深い」部分月食が見られる(Credit: NASA)】

2021年11月19日は夕方から夜にかけて、日本各地で部分月食が見られます。国立天文台によると、食の最大(月が最も欠けて見えるタイミング)は18時3分頃。天候次第ではありますが、19日の夕方は東の空に昇った月が欠ける様子を観望してみませんか?

■あと少しで皆既月食な「たいへん深い部分月食」を見てみよう!

今回の月食は月の一部が地球の影に隠れる部分月食ですが、月の大部分が影に隠れることから「たいへん深い部分月食」と表現されています。

月食時の月が地球の影にどれくらい入り込むかは、影の大きさや月の視直径(見かけの直径)をもとに計算される「食分」という数値で示されます。食分が1.0以上の場合は皆既月食1.0未満の場合は部分月食です。

今回の月食は最大食分が「0.978」、つまり月の視直径のうち97.8パーセントが地球の影に入り込むことになります。食分が大きな部分月食は「深い」と表現されることがありますが、今回はこの値が特に大きいので「たいへん深い」というわけです。

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次の画像は国立天文台が公開している今回の月食の解説図です。東京の空における各時刻の月の位置とともに食の最大を迎えた月の予想図が描かれていますが、あとほんの少し影に入り込めば皆既月食というところまで月が欠けることがわかります。

2021年11月19日の部分月食中の月の位置(東京の空)を示した図(Credit: 国立天文台)
【▲2021年11月19日の部分月食中の月の位置(東京の空)を示した図(Credit: 国立天文台)】

国立天文台によると、北海道や東北地方北部では月が昇ってから欠け始めるものの、そのほかの地域では昇ってきた月がすでに欠け始めている「月出帯食(げつしゅつたいしょく)」となります。部分月食が始まるのは16時18分頃、月が最も欠ける食の最大は18時3分頃、部分月食が終わるのは19時47分頃。各地における月の出の時刻は札幌:16時3分頃、仙台:16時17分頃、東京:16時27分頃、京都:16時45分頃、福岡:17時10分頃、那覇:17時35分頃です。

ちなみに国立天文台によると、今回と同程度かそれ以上に深い部分月食(食分の値が0.978以上の部分月食)のうち、日本の一部地域で食の最大が観測できた部分月食は1932年9月15日の部分月食(食分0.980)以来89年ぶり日本全国で食の最大が観測できた部分月食としては1881年12月6日の部分月食(食分0.980)以来実に140年ぶりとのこと。次に今回よりも深い部分月食が日本で観測できるのは、65年後の2086年11月21日の部分月食(食分0.992、ほぼ全国で食の最大が観測できる)になるようです。

なお、国立天文台三鷹キャンパスでは今回の部分月食をYouTubeでライブ配信する予定です。配信予定日時は11月19日16時~20時となっています。天候に恵まれなかった人や直接観望するのが難しいという人はもちろん、部分月食を見ながらの解説番組としても楽しめそうです。

●ライブ配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=mwrKHHRLxkk

▲国立天文台による2021年11月19日の部分月食ライブ配信▲
(Credit: 国立天文台)

 

関連:赤銅色に輝く月。画像で振り返る2021年5月の皆既月食

Image Credit: 国立天文台
Source: 国立天文台
文/松村武宏

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