星空の一部をクローズアップすると、そこには無数の銀河が見えてきます。ある渦巻銀河の中心にある「バルジ(銀河バルジ)」と呼ばれる部分を、「ハッブル」宇宙望遠鏡が撮影しました。

■渦巻銀河IC 2051の銀河バルジ

渦巻銀河「IC 2051」のバルジ。ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)によって撮影(Credit: ESA/Hubble & NASA, P. Erwin et al.)

ハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」によって撮影されたのは、南天の「テーブルさん座」の方向およそ8500万光年先にある渦巻銀河「IC 2051」です。

渦巻銀河は中心に多数の天体が集まったバルジと、その周辺で渦を巻きながら平たく広がる「円盤(銀河円盤)」、そしてバルジや円盤を包むように球状に広がる「ハロー(銀河ハロー)」から構成されています。今回ハッブルが撮影したのは、IC 2051の中心部分にあるバルジです。超大質量ブラックホールが存在するとみられるバルジは円盤の中央部分が上下にふくらんだような構造をしており、銀河の進化に重要な役割を果たしていると考えられています。

渦巻銀河のうち、渦巻腕(円盤にある恒星の集まり)をつなぐ棒状の構造がバルジにみられるものは「棒渦巻銀河」と呼ばれており、天の川銀河も棒渦巻銀河に分類されています。ただ、バルジは球状や円盤状といったさまざまな構造が複雑に組み合わされた形態を持っていることが、研究によって示唆されています。こうしたハッブルによる観測データなどをもとに研究が進むことで、棒状構造の有無にとどまらず、バルジの形態がより詳細に分類される可能性もあるようです。

IC 2051の全体像(Credit: The Carnegie-Irvine Galaxy Survey)

 

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, P. Erwin et al.
Source: NASA
文/松村武宏

 オススメ関連記事