国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資を載せた「プログレスM-28M」補給船が7月5日、ISSに到着した。ISSへの物資補給は今年4月以来、約3か月ぶり。この間に2機の補給船が打ち上げに失敗していた。
プログレスM-28Mは協定世界時2015年7月5日7時11分(日本時間2015年7月5日16時11分)、ISSのピールス(ピアース)・モジュールにドッキングした。
待ちに待った補給物資の到着に、ISS滞在中の宇宙飛行士からは「7月にクリスマスがやってきたみたいだ」という声も漏れた。
プログレスM-28MはソユーズUロケットに搭載され、日本時間2015年7月3日13時55分50秒に、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。そして予定通りの軌道に投入され、順調に飛行を続けていた。
プログレスM-28Mには、水や食料、酸素や燃料、実験機器や材料、機器の予備部品など、2381kgの補給物資が搭載されている。これらの物資は今後、ISSに滞在している宇宙飛行士らによって取り出される。
またそれと入れ替わりに、ISSで発生した不要物(ごみ)などが積み込まる。プログレス補給船は最終的に、地球の大気圏に再突入して燃え尽きて運用を終えるため、ごみも一緒に処分されることになる。現時点でISSからの分離は、今年11月19日に予定されている。
ISSへの物資補給は、今年4月17日のドラゴン補給船運用6号機以来、約3か月弱ぶりとなった。4月28日には「プログレスM-27M」を搭載したソユーズ2.1aロケットが打ち上げに失敗し、補給物資がすべて失われるという事故が起きた。また6月28日には「ドラゴン補給船運用7号機」を搭載したファルコン9ロケットも打ち上げに失敗している。さらに昨年10月28日(日本時間29日)には、「シグナス補給船運用3号機」を搭載したアンタレス・ロケットの打ち上げも失敗しており、物資の補給が滞っていた。
補給が失敗した備え、ISS内にはあらかじめ予備の食料などが用意されてはいるが、NASAによるとプログレスM-28M到着前の段階での備蓄は「今年10月まで通常通り運用できるだけの量」しかなかった。今回のプログレスM-28Mのミッションは、前号機プログレスM-27Mの失敗からの復活を示し、また補給できなかった物資を補うことと同時に、ISS全体の運用にとっても非常に重要な意味を持っていた。
今回のドッキング成功で、ISSは10月以降も、当面は問題なく運用が続けられる状態となった。
また、8月16日には日本の補給機「こうのとり」5号機を搭載したH-IIBロケットの打ち上げが、続いて9月21日には「プログレスM-29M」を搭載したソユーズUの打ち上げも予定されており、徐々にISSの物資の備蓄量は回復されていくことになる。
■РОСКОСМОС: УСПЕШНАЯ СТЫКОВКА - «ПРОГРЕСС» В СОСТАВЕ МКС
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