米航空宇宙局(NASA)は2月27日、開発中の小惑星探査機オシリス・レックスが、システム統合審査を通過したと発表した。オシリス・レックスは小惑星ベンヌ(ベヌー)から砂や石などのサンプルを地球に持ち帰ることを目指したミッションで、2016年9月に打ち上げられる予定だ。

オシリス・レックスは現在、ロッキード・マーティン社で開発が行われている。そして2月23日から27日の一週間の間に、探査機に搭載される予定の観測機器や電子・通信システム機器、航法システムなどをすべて接続しても問題なく機能するかどうかを審査する、システム統合審査(System Integration Review)を通過した。これにより、来月から探査機を実際に組み立てて、試験を行う過程へと進むことになる。

開発が順調に進めば、オシリス・レックスは2016年9月に、アトラスVロケットで地球を旅立ち、2018年に小惑星ベンヌ(ベヌー)に到着する予定となっている。そこで505日間にわたって探査を行う。また表面から、最大2kgほどの砂や石などのサンプルも回収する。それらを終えた後、ベンヌを出発し、2023年に地球に帰還するという壮大な計画だ。

なお日本も、2014年12月に小惑星からのサンプル回収を目的とした「はやぶさ2」を打ち上げており、2020年に地球に帰還する予定となっている。両探査機がもたらす成果によって、太陽系の成り立ちや生命の起源についての研究がさらに進むことが期待されている。

 

■OSIRIS-REx Mission Successfully Completes System Integration Review | NASA
http://www.nasa.gov/content/goddard/osiris-rex-mission-successfully-completes-system-integration-review/