欧州宇宙機関(ESA)のスペースプレーン実験機IXVの打ち上げに向けた準備が、着々と進められている。IXVはすでにヴェガ・ロケットの頭の部分に搭載されており、2月11日に宇宙へ向けて飛び立つ予定だ。

IXVはESAが開発したスペースプレーンの実験機で、将来の再使用宇宙機の開発に向けた実験を行うことを目的としている。見た目は巨大な革靴のような格好をしており、スペースシャトルのような大きな翼は持っていない。この胴体の形状はリフティング・ボディと呼ばれ、この形によって胴体全体で揚力を発生させることができ、また後部に装備された2枚の大きなフラップを使うことで、大気圏内である程度飛行を制御することが可能となっている。機体の全長は5.0m、全高は1.5m、全幅は2.2mで、打ち上げ時の質量は2t。

IXVはアイ・エックス・ヴィーと発音し、Intermediate Experimental Vehicleを略した名前だ。Intermediate(中間)という言葉は、ESAが同機を、再使用宇宙機のプログラムの中間段階として位置付けていることを指している。

打ち上げには、アリアンスペース社が運用する小型の固体ロケットであるヴェガが用いられる。IXVは打ち上げ後、高度340kmでロケットから分離され、単独で412kmまで達した後、秒速約7.5kmで大気圏に再突入する。地球を回る軌道には乗らず、サブ・オービタル飛行、弾道飛行と呼ばれる飛行経路をとる。そしてパラシュートで太平洋上に着水し、船で回収され、その後分析などが行われる。打ち上げから着水までは1時間40分ほどの予定だ。

現在すでに、ロケットもIXVも打ち上げ場所である南米仏領ギアナのギアナ宇宙センターにあり、1月28日にはIXVをアダプターの上に搭載し、両側から包み込むようにフェアリングをかぶせる作業が行われた。そして2月2日には、それらがロケットの先端へと搭載され、打ち上げに向けた準備が着々と進められた。

打ち上げ日時は現地時間2015年2月11日10時00分(日本時間2015年2月11日22時00分)に予定されている。

 

■IXV packed and ready / Highlights / Launchers / Our Activities / ESA
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