スペースX社は1月17日、ファルコン9ロケットの第1段機体の回収試験の失敗した様子を収めた映像を公開した。
この試験は今年1月10日に実施されたもので、通常は海に捨てられるロケットの第1段機体を、大西洋上に浮かべた船の上に着地させることを狙っていた。だが、船の真上までたどり着くことには成功したものの、残念ながら安定して降り立つことまではできず、着地自体は失敗に終わった。
今回公開された映像は、第1段機体が降り立つ予定だった船の甲板上から撮影されたもので、ロケットが船の真上まで降りてくるも、姿勢を崩し、斜めの状態で打ち付けるように甲板に衝突し、そのまま船から外れて飛んでいく様子が克明に収められている。
今回、着地には失敗したものの、投稿された動画には「Close, but no cigar. This time.(もう一歩だった。今回は。)」とのキャプションが付いており、次回以降の成功に意欲を見せている。
スペースX社のイーロン・マスクCEOによれば、この時の試験では機体を安定させるためのフィンを動かす作動液が途中で切れたとし、次の試験では5割増しで作動液を積むと明かしている。
スペースX社では、2月8日以降に地球・太陽観測衛星DSCOVRを搭載したファルコン9の打ち上げを予定しており、その際にも第1段の回収に挑むという。
スペースX社では、ロケットを旅客機のように再使用することで、打ち上げ費用を劇的に引き下げることを目指しており、まずはロケットの第1段機体を再使用することを計画している。その前段階として、これまでに何度か、ロケットの第1段を大西洋上に着水させる試験を行っており、今回から船の上に着地させる試験へと移行している。
ロケットを再使用すること自体は不可能ではないものの、それによって打ち上げ費用が本当に劇的に下がるのか、ということについては懐疑的な声も多い。しかし実現すれば宇宙輸送に革命が起こることから、多くの期待が寄せられている。
■SpaceX's post on Vine
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