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こちらはアメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)が公式Xアカウントを通じて公開した動画です。日本時間2024年6月6日夜に実施された同社の新型ロケット「Starship(スターシップ)」第4回飛行試験で使用された1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」が、計画通りメキシコ湾の海上へ軟着水する様子が24秒間にまとめられています。

動画では、上空から降下してきたSuper Heavyがエンジンを点火して減速しながら海面へ迫っていく様子を捉えた映像(※着水予定区域に設置されたブイのカメラで撮影されたものと思われる)に続いて、Super Heavy側のカメラで捉えた着水の瞬間を見ることができます。ちなみに、Super Heavyの全長は71mで、大型旅客機であるBoeing(ボーイング)777-300ER型機の全長73.9mとほぼ同じです。

【▲ 大型宇宙船「Starship」の分離後に降下してきた大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】
【▲ 大型宇宙船「Starship」の分離後に降下してきた大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】
【▲ 大型宇宙船「Starship」の分離後に降下してきた大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】
【▲ 大型宇宙船「Starship」の分離後に降下してきた大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】
【▲ 大型宇宙船「Starship」の分離後に降下してきた大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】
【▲ 大型宇宙船「Starship」の分離後に降下してきた大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】
【▲ 大型ロケット「Super Heavy」がメキシコ湾に軟着水した瞬間。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】
【▲ 大型ロケット「Super Heavy」がメキシコ湾に軟着水した瞬間。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】

Starshipは1段目のSuper Heavyと2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。SpaceXによれば、両段を再利用する構成では100~150トンのペイロード(搭載物)を打ち上げることが可能であり、2段目のStarship宇宙船は単体でも地球上の2地点間を1時間以内に結ぶ準軌道飛行(サブオービタル飛行)が可能だとされています。

Starship打ち上げシステム全体としては4回目となった2024年6月6日の飛行試験では、Super Heavyの軟着水とStarship宇宙船の大気圏再突入および軟着水が初めて達成されました。Starship宇宙船は姿勢を制御するフラップの一部に損傷が生じたものの、今回の試験で計画された打ち上げから着水までの飛行に成功したことになります。SpaceXは複数のStarship宇宙船とSuper Heavyの製造を進めていて、第5回飛行試験も遠くないうちに実施されると思われます。

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【▲ アメリカ・テキサス州にあるSpaceX(スペースX)の施設「Starbase(スターベース)」から第4回飛行試験のために打ち上げられた新型ロケット「Starship(スターシップ)」(Credit: SpaceX)】
【▲ アメリカ・テキサス州にあるSpaceX(スペースX)の施設「Starbase(スターベース)」から第4回飛行試験のために打ち上げられた新型ロケット「Starship(スターシップ)」(Credit: SpaceX)】

ロケット1段目の着陸と再利用はSpaceXの「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットですでに行われていて、年間100回に迫る同ロケットの打ち上げを通してもはや日常の光景となりつつあります。一方、実用化されたStarshipでは1段目のSuper Heavyは地上や船上に直接着陸するのではなく、発射台に向かって降下してきたところをタワーに備え付けられているアームを使って空中でキャッチすることが想定されています。この方式で帰還するには巨大な機体をタワーに衝突させないように制御することはもちろん、アームの可動範囲内へ精密に誘導しなければなりません。

【▲ 発射台のアームでキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開している動画「Starship Mission to Mars」から(Credit: SpaceX)】
【▲ 発射台のアームでキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開している動画「Starship Mission to Mars」から(Credit: SpaceX)】

イメージ映像はまるでSF映画の一場面ですが、SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOはXにて、次の着陸ではアームによるSuper Heavyのキャッチが行われるだろうとポストしています。Musk氏の発言は、それが実際に可能だと判断できるだけの精度やデータが今回実施された第4回飛行試験で得られたことを意味しているのかもしれません。

自ら掲げた「人類を多惑星種にする」という目標にかなり近付いているとも発言しているMusk氏。次の飛行試験ではStarshipの実用化に向けてどこまで進展するのかが注目されます。

 

Source

文・編集/sorae編集部

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