ファルコン9-R試験機、飛行中にトラブル 空中で自爆

スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社は現地時間8月22日、同日早朝にテキサス州のマクレガー試験場において実施した、再使用ロケット実験機のファルコン9-Rテスト・ビークルの飛行試験に失敗したと発表した。飛行中に問題が発生し、ロケット自身の判断で自爆したという。

同社によると、ロケットの飛行は全工程において定められたエリア内に収まり、また事故による負傷者も出ていないという。また詳細は明らかにされていないものの、今回の試験はこれまでよりも複雑な、限界まで攻めた内容だったという。

この試験機は、ロケットの再使用化に向けた飛行試験を行うために開発されたもので、F9R Dev-1などとも呼ばれている。外見は着陸脚を装備したファルコン9 v1.1の第1段と似ているが、マーリン1Dエンジンは3基だけしか装着していない。

今年の4月に初飛行して以来、今回の試験までに4回の飛行を行い、いずれも成功を収めていた。また、同機の先代にあたるグラスホッパーと名付けられた試験機は、全8回の飛行をすべて成功させており、同社のこの手の試験機にとっては初の失敗となった。

なお同社は、今月26日に通信衛星アジアサット6を搭載したファルコン9 v1.1ロケットを、フロリダ州ケープ・カナベラル空軍ステーションから打ち上げる予定だ。F9R Dev-1とファルコン9 v1.1は同じマーリン1Dエンジンを使っており、またそもそもファルコン9 v1.1の第1段を流用して造られたものであるため、共通している箇所は多いが、今回の事故によって、アジアサット6の打ち上げに影響が出るかは不明だ。ただ、今回の事故が起きたのと同じ22日には、打ち上げ前恒例の、ロケット・エンジンや射場の燃料システムの確認のための燃焼試験(Static fire test)が実施されていることから、少なくとも今のところは影響は出ていないようだ。

 

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