ロシア航空宇宙防衛軍は23日、ロシア北西部にあるプレセツク宇宙基地からロコットロケットを打ち上げた。発表では3機の軍事衛星が載っていたとされ、それぞれコスモス2496、2497、2498の番号を与えたが、米戦略軍のレーダーは4機目の物体を探知しており、発表されていない4機目の衛星が同乗していた可能性が指摘されている。
ロコットはモスクワ時間2014年5月23日9時27分(日本時間2014年5月23日14時27分)、プレセツク宇宙基地の133/3発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、11時12分(同16時12分)に、上段のブリーズKMから衛星が分離された。ロシア航空宇宙防衛軍によれば、搭載されていた衛星は3機で、それぞれコスモス2496、2497、2498の番号が与えられたとされる。
打ち上げられたコスモス衛星の正体は、ラドニークS(もしくはストレラー3M)と呼ばれる衛星であると思われる。これはISSレシェトニェーフ社によって製造されている衛星で、軍や政府機関の通信に利用される通信衛星だ。ちなみにラドニークとは「泉」、ストレラーは「矢」という意味である。
衛星の質量は225kgほどで、各衛星は高度約1500km、軌道傾斜角82.6度の円軌道に配備され運用される。また民間向けに同様のサービスを提供する衛星としてガニェーツMがあり、ラドニークとガニェーツはほとんど同じ衛星であるとされる。
今回の打ち上げにおいては、軌道上に全部で5つの物体が打ち上げられたことが確認されている。1つはロケットの上段であるブリーズKM、3つはラドニークSであろうが、もう1つは何かは明かされていない。この謎の物体はラドニークSとほぼ同じ軌道にあり、またブリーズKMは衛星分離の際にデブリを出すような設計ではなく、この物体は何らかの目的を持った人工衛星である可能性が強い。
実は、前回のラドニークSの打ち上げ(2013年12月25日)の際にも同じように謎の4つ目の物体が軌道に投入されており、その後のコスモス番号が合わないことからも、この物体が未知の軍事衛星である可能性が疑われていた。
もしこの4つ目の物体が軍事衛星であったとすれば、コスモス2499の名前が与えられているはずである。したがって、この次にロシアが打ち上げる軍事衛星にはコスモス2500の名前が与えられることになるはずで、そうなれば今回の4つ目の物体はもちろん、昨年12月の物体もまた軍事衛星であった可能性が極めて強くなる。
■На космодроме Плесецк Войска ВКО провели успешный пуск ракеты-носителя «Рокот» с блоком космических аппаратов военного назначения : Министерство обороны Российской Федерации
http://structure.mil.ru/structure/forces/cosmic/news/more.htm?id=11929726@egNews