インド宇宙研究機関(ISRO)は12日、火星探査機マーズ・オービター・ミッションの、通算5回目となる軌道上昇を実施した。これは先日行われた第4回軌道上昇において、スラスターの不具合で計画していた高度まで上昇できなかったことによる不足分を補うために行われたものだ。
軌道上昇はインド標準時11月12日5時3分50秒(日本時間同日8時33分50秒)から行われ、303.8秒間に渡ってスラスターを噴射、その結果、地表からもっとも高い高度が118,642kmまで上昇した。第4回軌道上昇では高度100,000kmまで上昇する事を狙っていたため、十分に挽回できたことになる。
探査機の状態は正常で、予定に変更がなければ、16日に次の軌道上昇噴射が実施され、さらにその次の12月1日の噴射では、いよいよ地球周回軌道を飛び出し、火星へと向かう軌道に投入される予定だ(これをトランス・マーズ・インジェクション(Trans-Mars Injection)、またはその頭文字を取ってTMIと呼ぶ)。
またBBCの報道によれば、不完全に終わった第4回軌道上昇において2kgの燃料を消費したものの、もともと打ち上げ時の軌道投入精度がかなり正確であったため予定より6kgも節約できており、今後の運用には支障は出ないとしている。
■ISRO: Mars Orbiter Mission
http://www.isro.gov.in/mars/updates.aspx