アメリカ航空宇宙局(NASA)は6月18日、地球に脅威をもたらす全ての小惑星を発見し、地球を守るための「小惑星グランドチャレンジ(Asteroid Grand Challenge)」を発表した。
このチャレンジは地球及び人類に脅威をもたらす全ての小惑星をどのようにして発見し、発見した後、その脅威からどのようにして地球を守るかを考える。問題を解決するために、他の政府機関や国際パートナー、教育機関、民間企業、一般の科学者、アマチュア天文家などからの情報も集める。NASAは既に必要な情報提供を求める RFI(情報提供依頼書)も発行した。
「NASAは地球に脅威をもたらすかもしれない小惑星を見つけることに既に取り込んでおり、これまでの観測で直径1km以上の地球近傍天体を95%発見している。しかしながら、それよりも小さいものはほとんど見つかっていない。我々は地球への脅威の可能性がある全ての天体を見つける必要がある」
今回のチャレンジについて、NASAのロリ・ガーヴァー副長官はこのように述べた。
今年2月、ロシアのチェリャビンスク州に隕石が落下したのはまだ記憶に新しい。この隕石の衝突によって、4000棟以上の建物が壊れ、1000人以上が怪我をした。隕石が直接原因でこれほどの被害が出たのは人類史上初めてで、地球への天体衝突は自然災害で、現実的に起こり得るということを示した。
チェリャビンスク州に落下した隕石の大きさは推定わずか直径約17m。NASAのチャールズ・ボールデン長官は今年3月、公聴会の中で「アメリカはこのような小さな隕石を(事前に)見つけられる装置を持っていない。例え巨大隕石が3週間以内に地球に衝突すると分かっていても、祈るしかない」と発言している。
■NASA Announces Asteroid Grand Challenge
http://www.nasa.gov/mission_pages/asteroids/initiative/asteroid_grand_challenge.html